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「こりゃ困った!」中日ベストナインを成績で選ぶと「立浪和義ら二塁が豪華すぎ、三塁がやや弱い問題」…外野と投手陣はどうする? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/05/31 17:03

「こりゃ困った!」中日ベストナインを成績で選ぶと「立浪和義ら二塁が豪華すぎ、三塁がやや弱い問題」…外野と投手陣はどうする?<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

星野仙一、立浪和義、福留孝介。それぞれ中日ドラゴンズの主力としてチームをけん引した

 1976年、張本勲と激しい首位打者争いをして6糸差(0.00006差)で首位打者になった谷沢の印象が強い。首位打者2回、ベストナイン5回。西沢は高等小学校から戦前にプロ入り。戦前は投手だったが、戦後は中軸打者として活躍。打点王、首位打者各1回、ベストナイン3回。1977年殿堂入り。

 落合は中日にFA移籍。当初は三塁を守っていたが、後半は一塁を守ることが多くなった。選手としては中日では打点王2回、ベストナイン4回。2011年殿堂入り。ビシエドはキューバからアメリカに亡命し、来日。昨年まで中軸を打った。一塁守備も優秀だった。首位打者1回、ベストナイン、ゴールデングラブ各2回。

 大沢清(伸夫)は、大沢親分こと大沢啓二の16歳上の兄。育ての親であり大沢親分も頭が上がらなかった。1リーグ時代では川上哲治に次ぐ名一塁手。引退後、母校国学院大の教授になった。山﨑は入団時捕手だったが、中村武志がいたので「レギュラーは無理」と一塁に転向。中日時代に本塁打王1回。ベストナイン1回。大豊は王貞治にあこがれて台湾から来日。名古屋商大を出て中日へ。94年に本塁打王、打点王、ベストナイン。台湾出身では最強打者だろう。

立浪か高木守道か荒木か…二塁が充実、三塁は?

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 とてつもなく難しいのが、二塁手である。

《二塁手》
立浪和義2586試8716打2480安
171本1037点135盗 率.285※
高木守道2282試8367打2274安
236本813点369盗 率.272※
荒木雅博2220試7639打2045安
34本468点378盗 率.268
井上登1023試3647打970安
75本404点128盗 率.266

 立浪は中日最多安打、最多打点。そしてNPBの最多二塁打記録も持っている。二塁手のベストナイン1回、ゴールデングラブ3回。しかし二塁出場は1148試合。2019年殿堂入り。

 これに対して高木は、NPBの二塁手最多出場記録(2179試合)の持ち主で、二塁手のベストナイン7回、ダイヤモンドグラブ3回。2006年殿堂入り。さらにアライバの荒木はベストナイン3回、ゴールデングラブ6回。井上も二塁のベストナイン5回。まさに中日は「二塁手王国」なのだ。うーん、どうするか?

 一転、三塁手はやや地味な面々で――別の意味で悩ましい。

《三塁手》
森野将彦1801試5707打1581安
165本782点18盗 率.277
高橋周平1078試3342打862安
57本370点9盗 率.258
島谷金二988試3218打810安
117本373点52盗 率.252
前田益穂568試1726打430安
31本149点19盗 率.249
(落合博満863試2970打913安
210本625点18盗 率.307)

 森野は落合中日の中軸打者。ユーティリティだが、三塁での出場が842試合と最も多かった。三塁ではベストナイン1回。現役の高橋がこれに続く。東海大甲府から2011年ドラフト1位で入団。ずっと三塁を守っている。ベストナイン1回、ゴールデングラブ2回。島谷、前田は中日の強打の三塁手だったがそれぞれ阪急、ロッテに移籍した。島谷は中日時代にダイヤモンドグラブ1回を獲得した。

遊撃は堅守巧打の井端、強打の宇野、そして…

 遊撃手は各時代を彩った3人である。

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