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「悪意のある編集になってる」『テラスハウス』炎上で亡くなる前に、木村花さんが相談していた“悲痛な悩み”「今、初めて言いました」母が明かす真実 

text by

伊藤雅奈子

伊藤雅奈子Kanako Ito

PROFILE

photograph byL)木村響子さん提供、R)Takuya Sugiyama

posted2025/05/23 11:02

「悪意のある編集になってる」『テラスハウス』炎上で亡くなる前に、木村花さんが相談していた“悲痛な悩み”「今、初めて言いました」母が明かす真実<Number Web> photograph by L)木村響子さん提供、R)Takuya Sugiyama

木村花さんが抱えていた“葛藤”を、母・響子さんが今打ち明ける

「いま、初めて言いました」母が抱えていた思い

――我が娘が後輩レスラーになったとき、先輩として母として、葛藤はありましたか。

木村 私はかなり厳しく、細かく教えるタイプだったんですね。うるさいなって思われるぐらい、ほんとに細かくて。礼儀はもちろん、指先ひとつ、足の方向、「髪をさわるな」とか。髪って、普通にさわってかきあげるより、歌舞伎役者が見得を切ったときのように、首をカッと上げた瞬間に大きく舞って揺れ動くほうが、格好いいじゃないですか。ということとかをね、口うるさく言ってました。

――娘だからと、ひいき目はなく?

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木村 花には、人の3倍ぐらい厳しくしてましたね。でなければ、不公平だと思われるし、花にだけ優しかったら、みんなの「なんで?」が花に向けられちゃう。でもね、厳しくしすぎると今度は、私にとっては後輩だけど、花にとっては先輩の子たちが、「花ちゃんだけが厳しくされてかわいそう」ってフォローに回ってくれるんです。そっちのほうが、いいんですよ。私のほうが、先に業界を引退していくので(響子さんは2017年に引退)。

――構図としては、それが正解かもしれませんね。

木村 「ママは花だけに厳しい!」って、きっと思ってたと思います。でも、そのタネ明かしをしたら意味がないから、最後まで誰にも言わなかった。いま、初めて言いましたけど。

「彼女はスターで、私は雑草」

――花さんは、総合的にどういうプロレスラーでしたか。

木村 プロレス界の宝で、ステージに立つべき人間でした。花道を歩くだけで絵になってて、それは私がひっくり返っても持ってないものだった。私と花はレスラーとして正反対で、私はデビューしたときに年齢がいってて(26歳でデビュー)、地味で、特別に運動神経がいいわけでもなく、プロレスに対する愛情だけでのし上がっていった。あとは、花を食べさせていくという強い想いで、ケガをしない頑丈な体をつくった。けど、花はそこに立っただけで会場の雰囲気を変えられる人だから、スターなんですよね。彼女はスターで、私は雑草。いまでもね、思いますよ。なんで雑草からスターが産まれたんだろうって。

インタビュー第3回に続く》

#3に続く
「花のために祈る時間も、自分の時間も、奪われすぎた」木村花さんの逝去から5年…フジテレビと『テラスハウス』裁判を続ける母が伝えたい思い
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