格闘技PRESSBACK NUMBER
「花は天真爛漫で“陽キャ”でした」逝去から5年…元女子プロレスラー・木村花さんの母が語る“幼少期”「パパ、どこにいるの?」娘に聞かれた日
posted2025/05/23 11:01

木村響子さんと、お好み焼きを食べる幼少期の花さん
text by

伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
L)Takuya Sugiyama、R)木村響子さん提供
元女子プロレスラーの木村響子さんのひとり娘で、将来を嘱望された2世レスラー・木村花さん(享年22)が旅立って5年が過ぎた。父がインドネシア人とあって目鼻立ちがはっきりした美人で、まさに大きな花が咲いたような存在感を放っていた。幼年期から生粋の“陽キャ”だった花さんは、20歳でシングルマザーとなった響子さんの支柱であり、笑顔の源だった。
◆◆◆
娘に「花」と名付けた理由
木村響子さん(以下、木村) 私は19歳のときから1年間、アジアを旅してたんですけど、そこで出会ったジャワ島の男性が花のパパ。イスラム教徒で、同じ宗派の人同士でなければ結婚できないので、私はイスラム教に入ったんですよ。洗礼名は「シティコティジャ」。パパに「どういう意味なの?」って聞いたら、「大きい花」だと。決めたのは妊娠中でしたが、日本で出産するころにはそんなことをすっかり忘れてて。出産予定日が8月だったから、最初は「ひまわり」って付けようと思ってたんですけど、予定日よりずれて9月に入ってしまって、「もうひまわりの季節じゃないね」なんて言いながら、「花」って付けたんです。そこから3年ぐらいたってから、「あっ、そういえば私の洗礼名って……」って思いだして、驚いちゃって。
ADVERTISEMENT
――花さんが3歳になるまで、忘れていたんですね。しかし、20歳で結婚、出産、離婚を経験して、シングルマザーで子育てをするのは大変じゃないかと思いますが。
木村 生後3カ月ぐらいのときに先が見えなくなってしまって、「どうしよう……」って不安に襲われたんですね。そしたらね、花が初めて声をたてて笑ったんですよ。「キャハハッ!」て。声をたてたのは初めてだったから、すごくびっくりしたと同時に、そのあまりにも無邪気な笑顔を見て、「なんとかなるね!」って思えちゃった。
――「先が見えなくなった」いちばんの理由は、お金ですか。