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井上尚弥も乗せられた? 「気持ちが攻撃に振り切れてしまう」米国でのファイトを最も知る男・亀海喜寛が見た井上戦「歓声が日本と段違いなので」 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byNaoki Fukuda

posted2025/05/20 11:02

井上尚弥も乗せられた? 「気持ちが攻撃に振り切れてしまう」米国でのファイトを最も知る男・亀海喜寛が見た井上戦「歓声が日本と段違いなので」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

2014年、ロバート・ゲレーロとの一戦での亀海喜寛。アメリカでは自然と“激闘型”のファイトをしてしまったという。福田直樹氏によるこの写真は全米ボクシング記者協会の2014年最優秀写真に

 最初にアメリカのリングに上がったのは、WBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃がラスベガスでラファエル・マルケスを迎えた一戦の前座。ヘクター・ムニョス相手に6回TKO勝利を収めると、その1年後の2012年10月にはサクラメントのメモリアルオーディトリアムでホルヘ・シルバとメーンの舞台に立つ。ドローに終わったものの、打ち合いに終始した熱い激闘があのデラホーヤの目に留まったのだ。

デラホーヤが注目した日本人

「ゴールデンボーイ・プロモーションズの試合で、終わった後にデラホーヤがSNSで“カメガイという名前を覚えておいてくれ”とつぶやいてくれて。シルバとの一戦が、間違いなくターニングポイントにはなりました」

 その後元WBA世界スーパーライト級暫定王者ヨハン・ペレスに判定負けを喫しながらも2014年6月に、暫定を含めて4階級制覇を果たしているロバート・ゲレーロの1年ぶりとなる試合の対戦相手に指名される。0-3判定負けに終わったが、真っ向から打ち合ってゲレーロを追い込んだのも事実。Showtimeでのメーンにふさわしいファイトを評価されてゴールデンボーイ・プロモーションズとの正式契約にこぎつける。

激闘タイプへの変貌

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 日本では高度なディフェンス技術を駆使するテクニシャンとして知られていた亀海。だがアメリカでは激闘型のタフなファイターとして変貌を遂げた。本場のファンが求めているものに乗せられた部分もあるという。

 亀海は語る。

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