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「ライデル、キューバ国家公務員なの?」中日→巨人移籍後も防御率0.00、48Sペースと“亡命対策”の背景…元DeNAグリエルらも同様だった 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2025/05/19 17:02

「ライデル、キューバ国家公務員なの?」中日→巨人移籍後も防御率0.00、48Sペースと“亡命対策”の背景…元DeNAグリエルらも同様だった<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

巨人でも圧巻のクロージングが続くライデル・マルティネス。彼のキャリアからはキューバ野球の現状も見えてくる

 昨季まで3年連続最下位の中日では、好投してもセーブがつかないケースもあり、303登板で166セーブ、1登板当たり0.55だったが、巨人に入団した今年は18登板で早くも14セーブ。1登板当たり0.78と急上昇している。

 NPBの最多セーブ記録は2017年にソフトバンクのサファテが作った「54」だが、ライデルは今のペースだと「48」。ここからさらにペースが上がれば、更新の可能性も出てくる。さらに開幕から18試合連続無失点をキープしているが、NPB記録は2021年に西武の平良海馬が記録した「39」。どこまで迫ることができるか。

 ライデルは、ブルペンでは試合の経緯を見ながらブルペン捕手に話しかけるなど、リラックスした表情を見せる。

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 手を背中側で結んで肩甲骨を密着させ、驚異的な体の柔らかさを見せたりする。厳しいマウンドが続くが「投げることを愉しんでいる」印象がある。

 一方で4年40億円以上の契約を結びながら救援失敗が続き、マウンドに上がると「ダ・ス・ナ」の声も起きたソフトバンクのロベルト・オスナとは対照的である。強豪チームに移籍して、今季はどんな成績を残すのか、ライデルを注視したい。

巨人電撃トレードのリチャードがいきなり2本塁打

《第8週》 ※2025年5月12日から18日まで
【チーム順位】
〈セ・リーグ〉

・通算
 阪神40試22勝16敗2分率.579
 広島40試21勝18敗1分率.538
 DeNA39試19勝17敗3分率.528
 巨人42試21勝20敗1分率.512
 中日39試17勝20敗2分率.459
 ヤクルト36試13勝22敗1分率.371
・第8週
 DeNA5試3勝1敗1分率.750
 広島6試4勝2敗0分率.666
 中日5試3勝2敗0分率.600
 阪神5試2勝2敗1分率.500
 巨人6試2勝4敗0分率.333
 ヤクルト5試1勝4敗0分率.250

〈パ・リーグ〉
・通算
 日本ハム40試23勝16敗1分率.590
 西武40試22勝18敗0分率.550
 オリックス41試20勝18敗3分率.526
 ソフトバンク42試20勝20敗2分率.500
 楽天40試18勝22敗0分率.450
 ロッテ37試14勝23敗0分率.378
・第8週
 ソフトバンク6試4勝2敗0分率.666
 日本ハム5試3勝2敗0分率.600
 西武6試3勝3敗0分率.500
 楽天6試3勝3敗0分率.500
 ロッテ5試2勝3敗0分率.400
 オリックス6試2勝4敗0分率.333

 セはDeNAが盛り返して3位に進出。巨人は3連敗のあと中日戦で2勝1敗。一方でパは首位を走っていたオリックスが低迷して首位陥落。ソフトバンクが勝率5割に戻した。

【打撃成績】 ※打撃の総合指標であるRC(Runs Created)順
〈セ・リーグ〉
 松尾汐恩(De)9打7安1本5点0盗 率.778 RC5.66
 牧秀悟(De)21打7安1本6点0盗 率.333 RC5.20
 増田陸(巨)24打9安1本1点0盗 率.375 RC4.92
 サンタナ(ヤ)20打8安1本1点0盗 率.400 RC4.74
 度会隆輝(De)23打8安1本3点0盗 率.348 RC4.47

〈パ・リーグ〉
 万波中正(日)19打7安0本2点0盗 率.368 RC4.50
 水野達稀(日)14打4安1本6点2盗 率.286 RC4.46
 辰己涼介(楽)24打6安2本6点3盗 率.250 RC4.33
 中村晃(SB)20打6安0本2点0盗 率.300 RC4.08
 佐藤直樹(SB)19打5安0本1点2盗 率.263 RC3.85

 セでは伏兵の活躍が目立った。DeNAの松尾は山本祐大、戸柱恭孝に次ぐ3番手捕手だが、16日、17日のヤクルト戦にスタメン出場して7打数5安打の大当たり。本塁打はソフトバンクから巨人に移籍したリチャード、中日の上林誠知、山本泰寛が2本、打点はDeNAの牧の6、盗塁はDeNA林琢真が3で最多。パでは前週に続いて日本ハムの万波が打撃好調。本塁打はロッテのソトが3。打点は日本ハム水野と楽天・辰己の6、盗塁も辰己の3が最多だった。

【投手成績】 ※リーグ平均防御率に準拠したPR(Pitching Run)順
〈セ・リーグ〉
 グリフィン(巨)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.27
 ケイ(De)1登7回 責0率0.00 PR2.27
 大瀬良大地(広)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.27
 髙橋宏斗(中)1登1敗7回 責0率0.00 PR2.27
 ジャクソン(De)1登6.2回 責0率0.00 PR2.17

〈パ・リーグ〉
 山﨑福也(日)1登1勝 H9回 責0率0.00 PR2.63
 上沢直之(SB)1登8回 責0率0.00 PR2.34
 伊藤大海(日)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.34
 ボス(ロ)1登8回 責0率0.00 PR2.34
 前田純(SB)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.05
 達孝太(日)1登7回 責0率0.00 PR2.05
 ハワード(楽)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.05
 ヤフーレ(楽)1登7回 責0率0.00 PR2.05
 渡邉勇太朗(西)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.05

 DeNAは、バウアーだけでなくケイ、ジャクソンと外国人投手が優秀で、ローテを回している。救援では巨人のライデル・マルティネスが2セーブ、阪神の桐敷拓馬、石井大智、中日の清水達也が3ホールド。パでは日本ハム山﨑福が16日のロッテ戦で完封勝利。救援では西武・平良海馬が2セーブ。ソフトバンク松本裕樹、日本ハム池田隆英、玉井大翔、ロッテ中森俊介が3ホールドを上げた。

宮西は880試合連続救援、岩崎は「100S100H」

《記録》
 日本ハム宮西尚生は5月15日のオリックス戦に登板し、岩瀬仁紀の記録を抜く880試合連続救援登板の新記録。現在も更新中。阪神の岩崎優は17日の広島戦で史上37人目の100セーブ。「100セーブと100ホールド」を両方達成したのは史上8人目。

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