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「小園海斗は“結婚”が大きかった」カープ“あのドラフト1位”は今「中村奨成なぜキャッチャーやめた?」二軍監督明かす「鈴木誠也に似た20歳がいる」
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byNanae Suzuki
posted2025/05/05 11:05

2018年ドラフト1位、プロ7年目の小園海斗24歳
高 二軍のNo.1ピッチャーが一軍では下位レベルにあたるので、差はある。ただそこでやり通せるかでしょうね。打てない日があっても改善し続けられるか。
――中村奨成の翌18年ドラフト1位が小園海斗でした。根尾昂ら大阪桐蔭勢が注目されたドラフト会議でしたが、万波中正(日本ハム)と並んで小園が日本を代表する選手になりつつあります。
「気持ちにムラあった」小園ルーキー時代
高 今回ね、小園のことを聞かれると思って色々思い出してたんですよ。たぶん彼には転機が2度あったんですね。1度目は佐々岡監督が率いていた2021年、開幕当初の二軍時代。あの頃は気持ちにムラがあるというか、守備練習でも明らかに緩んでることがあった。それを咎めたら彼は「僕は野球を楽しみたい」と言ったんですね。でもプロの世界は楽しむだけじゃ生き残れません。結果を出さなければレギュラーも取れないしお金も稼げない。そういう話を若い小園に、何度も繰り返しました。その後、一軍でレギュラーを取るんですよね。
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――21年は初めて規定打席に到達した年で、小園がショートの定位置を確保したかに見えました。
高 でも小園は要所要所で活を入れる必要があった(笑)。それが2度目の転機です。新井監督1年目の2023年ですね。4月下旬に一軍登録を抹消されてるんです。開幕こそ一軍でしたが不調が続いた。新井監督から「もう一回、二軍でやり直させてください」と。2カ月くらい二軍で過ごしたんですよ。1シーズンのうち2カ月が二軍生活というのは、(一軍定着しかけた選手として)異例です。彼の場合、もう技術うんぬんじゃなかった。素質はものすごいものがありますから。伝えたことはシンプルで「とにかく全力疾走やろうよ」と。それを実行してくれたら、どんどん体のキレが戻ってくるのがわかった。
少し話が変わりますが、昨年、オリックスの中嶋聡監督が退任するとき「何回言ってもみんなが全力疾走しなくなった」とコメントを残していたでしょう。あれ、すごく共感できるんです。
「結婚が大きかった」
――試合を重ねていくと選手・チームともに、どうしても惰性になっていく。