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“偏差値68高校でプロ注目”「レイモンド君、面白いで」ハイレベル文武両道球児が京都にいた「190cm長身ショートは最速138キロの二刀流…野球研究も」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/05/05 17:01

“偏差値68高校でプロ注目”「レイモンド君、面白いで」ハイレベル文武両道球児が京都にいた「190cm長身ショートは最速138キロの二刀流…野球研究も」<Number Web> photograph by Kou Hiroo

同志社国際のフォーク黒田レイモンド豪。中高一貫校に通う二刀流選手の“意外な一面”とは

「野球を実際に始めたのは、中学1年の終わりぐらいです。それまでは父とキャッチボールをしたりしていました。父は野球好きで、僕もボール遊びが好きでした」

――中学は、阪長友仁さんが中学部の監督をしていた「堺ビッグボーイズ」に入ったのですね?

「そうです。僕の家は寝屋川市にあるのですが、練習があるときは、朝5時半に起きて通いました」

中学時代…テストで練習を休んでも「お疲れさん」と

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――わざわざ遠いところのチームに入ったのはなぜですか?

「同志社国際中学は、僕が通っていたときには、土曜日に授業があって練習に参加できなかった。近くの少年野球チームには『土曜の練習に参加できなければ日曜の試合には出られない』と言われました。堺ビッグボーイズを見つけてきたのは父でした。僕は勉強も優先したかったのですが、チームはそれでもかまわないとのことでした」

 これについて阪長さんは「レイモンドは、堺ビッグボーイズの見学会には来ていなかったと思います。ホームページをみてお父さんと一緒に連絡してきて、入りたいと言ったと思う。野球の経験はあまりなかったですが、素直ないいやつでした」と語った。

 レイモンドは、堺ビッグボーイズ時代について「テストで練習を休んで、次の週に行ったら『お疲れさん』って優しく言ってくれたのがうれしかった。でも、プレーに関しては厳しく指導してくださるので、選手としても人間としても成長できたと思います。最初はBチームのサードを守りましたが、ポジションが空いたのでショートに回りました。背は伸びましたけど、細くて全然打てなくて、代打で出て3球三振もありました」と語る。

球速は138km/hくらい出ている

 筆者は堺ビッグボーイズの取材を長く続けているが、このチームは、試合で結果が出なくても選手を責めない。今、結果を出すことより、将来につながるように「野球が好きになるような」指導をする。それがレイモンドに合っていたのだろう。

――高校に進んでも野球を続けることにした経緯は?

【次ページ】 二刀流のプロ注目だけでなく「研究」も

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#フォーク黒田レイモンド豪
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