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“プロ注目二刀流球児”がアメリカ高校球児100人にアンケート「勉強と野球の両立どうしてる?」「米国の大学に行って日本球界に貢献したい」

posted2025/05/05 17:02

 
“プロ注目二刀流球児”がアメリカ高校球児100人にアンケート「勉強と野球の両立どうしてる?」「米国の大学に行って日本球界に貢献したい」<Number Web> photograph by 本人提供

同志社国際のフォーク黒田レイモンド豪。中高一貫校に通う二刀流選手はグラウンド外の野球研究でも注目される

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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名門スタンフォード大学主催のトレーニングに参加のアメリカ高校球児から話を聞いた、“プロ注目”の17歳が京都にいるという。関西在住の筆者が直撃取材した。〈NumberWebレポート/全2回。第1回につづく〉

プロ注目球児がアメリカ高校球児を“研究”していた

 昨年12月、宮城県仙台市の東北福祉大で「日本野球学会 第2回大会」が行われた。

「日本野球学会」は、野球に関するさまざまな学問分野を研究する研究者の集まりだ。大学や研究機関、スポーツメーカー、さらにはNPB球団などの研究者が所属している。毎年12月に「研究大会」を行う。この大会では「ポスター発表」と称して、研究者がワンテーマで発表をする。

 最近は、高校生も「ポスター発表」をするようになったのだが、ここで同志社国際高・塩見賢司監督とともに独自性あふれるテーマを提示したのが、フォーク黒田レイモンド豪(17歳。以下、レイモンド)だった。

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 レイモンドは同校でショートと投手(第1回で取り上げた通り、本人いわく球速は「138km/hくらい出ている」とのこと)の二刀流で挑む「プロ注目選手」としてメディアにも取り上げられたことがあるが――そんな彼が同学会で発表したポスター発表のタイトルは「アメリカの高校野球選手の『スカラーアスリート』に対する認識とキャリア展望に関する探索的研究」である。

スタンフォード大のキャンプ参加者に聞く“文武両道”

 レイモンドは『トビタテ! 留学JAPAN日本代表プログラム』を活用して渡米。2023年8月にスタンフォード大学主催の「Stanford All-Star Baseball Camps」に参加したアメリカの高校野球選手100人にアンケートおよびフォローアップ調査をした。

 ユニークなのは、アメリカの高校生たちに競技そのものではなく「勉強と野球の両立」について聞いたこと。

 スタンフォード大は、アメリカの大学でも1、2を争う超エリート校である。それと同時に、MLB通算270勝のマイク・ムッシーナや、ドジャース大谷翔平のチームメイトで、今季は本塁打を連発しているトミー・エドマンなどのスター選手を輩出している。日本で言えば「文武両道」となるだろうが、アメリカではそれが当たり前だ。

【次ページ】 異例だった“アメリカ高校球児のキャリア取材”

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