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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“偏差値68高校でプロ注目”「レイモンド君、面白いで」ハイレベル文武両道球児が京都にいた「190cm長身ショートは最速138キロの二刀流…野球研究も」
posted2025/05/05 17:01

同志社国際のフォーク黒田レイモンド豪。中高一貫校に通う二刀流選手の“意外な一面”とは
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
侍ジャパンのデータ担当らが“推す”球児とは
「フォーク黒田レイモンド豪君って知ってる?」
弾道測定器「トラックマン」野球部門の責任者で、2023年のWBCでも、昨年のプレミア12でも、侍ジャパンのデータ担当として大いに活躍した星川太輔さんからSNSで連絡があったのは、今年の2月だった。
それとほぼ同じタイミングで「レイモンド君、面白いで」と連絡してきたのは、高校野球のリーグ戦「リーガ・アグレシーバ」の主宰者で、昨夏には北海道で「リーガ・サマーキャンプ」を開催した阪長友仁さんだった。
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フォーク黒田レイモンド豪は、同志社国際高の野球部員である。実は筆者も気になる存在だった。昨年12月に宮城県仙台市の東北福祉大で行われた「日本野球学会 第2回大会」で、彼は同志社国際高校の代表として非常にユニークな「研究発表」をした。それにしても野球界で目覚ましい活躍をする星川、阪長のご両所がほぼ同時に「推す」というのは、よほどのことだろう――と感じ入って、件のフォーク黒田レイモンド豪に会いに行くことにした。
ルーツは日本とアメリカ…端正な190cmで関西弁
京都府京田辺市の同志社国際高校は偏差値68の中高一貫校として知られる。帰国子女が多く、開放感にあふれる学校だ。
放課後、教室で待ってくれていた彼に会った。
「何と呼べばいいんですか?」と聞くと「レイモンドでいいです」とのこと。
アメリカ人とのハーフ、190cmという長身で長髪。容姿だけ見れば、ファッションモデルのようなレイモンドだが、その喋りは関西訛りで、そこらにいる「高校球児」そのものだった。そのギャップが何とも言えず味わい深い。
しかしこの春、高校3年生になった彼は――選手としても、野球学の研究者としても、大いに注目されている。そんなレイモンドに野球歴をはじめ、幅広く話を聞いてみた。