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井上尚弥でも「満員にならない」ナゼ? 米識者が本音で語った“4年ぶりラスベガス決戦”「もう少しレベルの高い相手と…」「9月のMJ戦の後は…」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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posted2025/05/03 17:04

井上尚弥でも「満員にならない」ナゼ? 米識者が本音で語った“4年ぶりラスベガス決戦”「もう少しレベルの高い相手と…」「9月のMJ戦の後は…」<Number Web> photograph by Creative 2/AFLO

ラスベガスで公開イベントに出席した井上尚弥

 とはいえ、イノウエは今年4戦を行う予定ということを考えると、あまり厳しくは考えたくないのも事実です。1月に対戦したキム・イェジュンも最高級の相手ではありませんでしたが、指名挑戦者だったサム・グッドマンの試合延期、中止に振り回された結果なので、イノウエ陣営の責任ではありません。

 そして9月、12月と連続で強豪と対戦するのだとすれば、ここでその前にアメリカで1試合を挟むというスケジュールを喜ぶべきなのでしょう。現代ではほとんどの選手が1年に1〜2度しか戦わない中で、年に4試合も行うパウンド・フォー・パウンド・ランカーは他にはいません。

「イノウエは焦って仕留めにはいかない」

 試合予想をしておくと、私はイノウエの中盤KO勝ちと見ます。“モンスター”が4〜6ラウンドくらいでカルデナスをストップするでしょう。

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 序盤KOもあり得ますが、イノウエは焦って仕留めにはいかないと思います。アメリカでは久々の試合ですし、見せ場を作りたいと考えているはず。身体が温まったあと、少し挑発したりとか、ショーマンシップを見せても驚きません。何か無謀なことをしない限り、それもいいんじゃないでしょうか。いずれにせよ、中盤頃にはもう試合は一方的なものになり、最後は圧倒的な形でストップするというのが私の見方です。

 カルデナスが勝利する道は見えません。彼にとっての最善は、ラウンドを重ね、少しでも競い合うこと。イノウエから1、2ラウンドでも奪えば、彼の評価は上がります。この興行に出場するだけでも、知名度は上がったに違いありません。なにしろカルデナスは一世代に一人、現れるかどうかの選手と戦うのですから。

【次ページ】 「T-モバイルアリーナは満員にならない」

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