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大谷翔平パパ1号に隠れる“打点問題”「7本塁打なのに10」「ドジャース同僚テオスカーと21差、鈴木誠也も15差」“1番ベッツ2番大谷”に戻しては 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/04/30 17:41

大谷翔平パパ1号に隠れる“打点問題”「7本塁打なのに10」「ドジャース同僚テオスカーと21差、鈴木誠也も15差」“1番ベッツ2番大谷”に戻しては<Number Web> photograph by Imagn/REUTERS/AFLO

“パパ1号”を放った大谷翔平。ただし今季は7本塁打を放ちながら「10打点」にとどまっている

 9月19日のマーリンズ戦の6打数6安打3本塁打10打点をはじめ、1番で3打点以上を挙げた試合が7試合もあり、それだけで30打点を挙げている。そういう「大当たり」があったから、1番で打点王に輝くという破天荒な偉業を達成できたとも言える。

 ドジャースのチーム内で見ても大谷は8位で、大谷の同僚であるテオスカー・ヘルナンデスはMLB1位の31打点と、大谷の3倍以上の打点を稼ぎ出している。さらに大谷と同じ7本塁打の鈴木も25打点。そもそも今季の大谷は10打点のうち、本塁打以外で1打点しか稼いでいない。

 得点圏では15打2安0本1点6球 率.133
 無走者では76打23安6本6点9球 率.303

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 得点圏の四球数や無走者時の打数との差を踏まえると、今季の大谷は得点圏で勝負弱いというよりも――碌に勝負されない中、打点に結びつかない状況で多くの打席に立って奮闘していることがわかる。下位打線の出塁率が高まっていないことも要因として挙げられよう。

「ベッツ→大谷」の並びを復活させていいのでは

 ドジャース打線の効率化を考えれば、出塁能力の高いムーキー・ベッツを1番に戻し、大谷は現代の「最強打者の定位置」である「2番」にするべきではないか。もう少し得点圏や走者のいる機会での打席を増やして、大谷のモチベーションを高めるべきだと考える。

 その他の日本人メジャーリーガーについても見ていこう。鈴木の打点だけでなく、ラーズ・ヌートバーが現時点で大谷を超える数値をマークしていたりする。

〈鈴木誠也/カブス〉
26試104打31安7本25点1盗12球32振 率.298 OPS.964

今週 5試20打7安0本5点0盗 0球6振 率.350
4月22日ドジャース戦 5打2安0本2点0盗 0球2振
4月25日フィリーズ戦 5打2安0本0点0盗 0球1振
4月26日フィリーズ戦 4打2安0本3点0盗 0球0振
4月27日フィリーズ戦 4打0安0本0点0盗 0球3振
4月29日パイレーツ戦 4打3安1本2点0盗 1球0振

 前週は安打がなかなか出なかったが、今週は5試合で4試合マルチ安打。29日のパイレーツ戦では二塁打、三塁打、本塁打の大暴れで今永の勝利をバックアップした。

〈ラーズ・ヌートバー/カージナルス〉
2025年28試107打29安4本17点3盗23球21振 率.271 OPS.835

6試23打9安1本6点1盗 6球5振 率.391
4月22日ブレーブス戦 5打2安1本3点1盗 1球1振
4月23日ブレーブス戦 3打0安0本0点0盗 2球1振
4月25日ブルワーズ戦 3打2安0本1点0盗 1球0振
4月26日ブルワーズ戦 4打2安0本2点0盗 1球1振
4月27日ブルワーズ戦 4打2安0本0点0盗 1球2振
4月28日レッズ戦 4打1安0本0点0盗 0球0振

 6試合中4試合でマルチ安打、しかも5試合で四球を選んでいる。通算出塁率.405はリーグ6位。『Baseball Reference』によれば、総合指標WARは1.5でこれも6位。じつは現時点で大谷翔平の1.1(18位)よりも上だ。

由伸は防御率1位、菅野と今永はもう3勝目

 続いては山本由伸と佐々木朗希のドジャース勢やヤンキース相手に好投した菅野智之など、日本人投手も見ていく。

【次ページ】 由伸は防御率1位、菅野と今永はもう3勝目

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