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大谷翔平パパ1号に隠れる“打点問題”「7本塁打なのに10」「ドジャース同僚テオスカーと21差、鈴木誠也も15差」“1番ベッツ2番大谷”に戻しては

posted2025/04/30 17:41

 
大谷翔平パパ1号に隠れる“打点問題”「7本塁打なのに10」「ドジャース同僚テオスカーと21差、鈴木誠也も15差」“1番ベッツ2番大谷”に戻しては<Number Web> photograph by Imagn/REUTERS/AFLO

“パパ1号”を放った大谷翔平。ただし今季は7本塁打を放ちながら「10打点」にとどまっている

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 現地時間29日(日本時間30日)のマーリンズ戦で、父親となって初の第7号ホームランを放って満面の笑みを見せるなど、ようやく上向きになったように見える大谷翔平だが――数字を見れば気になることがいくつかある。4月22日から4月29日までの日本人メジャーリーガーの成績とともに見ていこう。

7号本塁打の183.6キロは今季最速だったが

〈大谷翔平/ドジャース〉
2025年28試111打32安7本10点8盗19球34振 率.288 OPS.942

今週 7試24打8安0本1点2盗 5球9振 率.333
4月22日カブス戦 4打1安0本0点0盗 1球3振
4月23日カブス戦 5打1安0本0点0盗 0球1振
4月25日パイレーツ戦 4打0安0本0点0盗 0球1振
4月26日パイレーツ戦 5打3安0本1点1盗 0球1振
4月27日パイレーツ戦 4打2安0本0点0盗 1球2振
4月28日マーリンズ戦 2打1安0本0点1盗 3球1振
4月29日マーリンズ戦 4打1安1本1点1盗 1球2振

 米公式サイトSTATCASTによれば、大谷の今季打球速度の最速は29日、前述したマーリンズのアルカンタラの初球を本塁打した際に記録した183.6km/hで、これは全打者中の17位。例年190km/h超の打球速度で5位以内に顔を出す大谷にしては異例の低い数字だ。今の1位は、ブルージェイズ、ゲレーロJr.の193.8km/h、カブスの鈴木誠也は183.9km/hで14位と大谷より上にいる。

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 もう1つは「打点の少なさ」だ。

 現時点でMLB両リーグで7本塁打以上打っている打者は29人いるが、大谷の「10打点」は最も少ない。打点が伸びない大きな要因は――言うまでもなく大谷が昨年から引き続き「1番打者」を任されているから。

 1901年にMLBがアメリカン、ナショナルの2大リーグになってから、タイでの獲得者も含めて263人の打点王が生まれたが、打順「1番」で打点王になったのは、昨年の大谷ただ1人である。

 昨年の大谷は1番で90試合に出場して84打点、2番で69試合に出場して46打点、そもそも1番で打点を1点でも稼いだ打点王は、過去に11人しかいない。2位は2022年ジャッジの22打点だった。主に任された打順が2番以降で打点王になった選手数と割合は、以下の通り。

 2番=6人(2.3%)
 3番=65人(24.7%)
 4番=159人(60.5%)
 5番=28人(10.6%)
 6番=3人(1.1%)
 7番=1人(0.4%)

 4番が圧倒的に多いと同時に、1番で打点王を獲得するのが、いかに「特別なことか」がわかる。そして1番打者は初回、必ず「無走者」で打席に立つ。打点王を獲るには明らかに不利になる。

今季の大谷は“勝負弱い”のではなく…

 昨年の成績を仔細に見ていくと、大谷がその不利を覆した理由が見える。

【次ページ】 今季の大谷は“勝負弱い”のではなく…

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