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青柳晃洋「防御率13.50」から目指す大逆転! フィリーズ3Aで7試合連続無失点の陰にあった原点回帰「一生懸命投げない」メジャー昇格への道筋
posted2025/04/30 11:04

3Aで奮闘する青柳。メジャー昇格までの「現在地」は…
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph by
Getty Images
もしかしたら、自分を見失っていたのかもしれない。ただ、今はできることを理解し、リリーフ投手としてその名前が呼ばれることを待ちながら日々を過ごしている。
渡米から約3カ月。フィリーズ傘下3Aリーハイバレーで奮闘する青柳が、その歩みを静かに振り返った。
「開幕戦がね、僕は大荒れしてしまった。そこから監督やコーチとかと少し話しながら、特に技術は変えてないんですけど、考え方だったりとか、メンタル面というか、考え方のシフトチェンジがしっかりできた。その後からずっと抑えることができています。マイナーですけど、いいんじゃないかなと思ってますね」
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3月29日、マイナーの開幕3戦目に公式戦初登板。対スクラントン(ヤンキース3A)では、コントロールに苦しみ、1イニング持たずに降板した。2つのフォアボールに2つのデッドボール。無安打にも関わらず、防御率13.50からのスタートとなった。
7試合連続で無失点投球
日本の統一球より、少し大きく、そして滑りやすいと言われるMLB球。青柳は、オープン戦からその扱いに苦戦した。だが、今は「だいぶボールにも慣れてきた」と次第に順応している。ちなみに3Aとメジャーは基本的に同じ仕様のボールを使っている。
「大荒れ」だった公式戦初登板から、7試合(7回3分の1)連続で無失点ピッチングを続けている(4月25日時点)。青柳のいう「考え方のシフトチェンジ」とは−−。
「僕は(阪神タイガース時代)ずっと先発だったので長いイニングを投げるための体の使い方とか出力が、染みついていた。リリーフをやるのは今年が初めてで、スプリング・トレーニングから出力を上げなきゃいけないと思っていたんですよね。先発で長いイニングを計算して投げるために7割、8割の力で投げていた。それを1イニングを全力で投げないといけない、という考え方をしてしまっていた」