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「流暢なイタリア語でテレビ出演」に絶賛の声…“10年前の石川祐希”を知る記者が驚いたペルージャでの変化とは?「あの頃はぎこちなかったけど…」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byTakahisa Hirano
posted2025/04/11 17:03

地元テレビ局の番組にゲスト出演する石川祐希。流暢なイタリア語は現地を人を驚かせた
収録を終えた石川は「疲れました」と苦笑いを浮かべたが、取材に訪れていた日本のテレビ局の現地コーディネーターのイタリア人が驚きと称賛を送る。
「ものすごく、イタリア語が上手。完璧ですね」
日本国内でプレーする外国籍選手が、通訳もつけずに日本語で1時間のトーク番組を収録していると考えれば、この凄さが伝わるだろうか。それでも「いやいや、まだまだ」と、時折わからない単語があったと謙遜するのも石川らしい。そんな姿を見て、再び20歳の石川の言葉を思い出す。
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「海外で活躍できるかどうかは、言葉ができるかどうか。それがすべて、と言ってもいいんじゃないかというぐらい、僕は語学力が大事だと思うんです」
時間の流れを痛感させられると共に、どれほどの経験と学びを重ねてきたのかを改めて考えさせられる現場だった。
出場機会が限られていても悲観しない
世界最高峰リーグと謳われるイタリア・セリエAでのキャリアは、2014年に留学したモデナから始まっている。翌年にラティーナと契約し、そこからシエナ、パドヴァ、ミラノとステップアップを遂げ、今季は“世界最強”との呼び声高いペルージャへの移籍を果たした。
ペルージャにはオレフ・プロトニツキ、カミル・セメニウクという攻守に長けたアウトサイドヒッターがいるため、石川の出場機会は限られているが、そんな状況にも悲観することはない。
「同じポジションの2人(プロトニツキとセメニウク)がとにかく安定しているし、素晴らしい。自分はなかなか出られないだろうと思っていました」
現在真っ只中のプレーオフでも、コートに立てば課せられた役割を果たしている。