フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
「璃来ちゃんと出会って…」演技直後、三浦は木原の頭をポンポンと撫でた…りくりゅう“2年ぶりの世界選手権優勝”の裏で取り戻した「新鮮な気持ち」
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田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2025/04/02 11:00

世界選手権で2年ぶりの優勝を果たした三浦璃来・木原龍一
お祝いムードが“1日で終わった”理由
楽しむ心を思い出すことで本来の彼らの実力を発揮することができ、チャンピオンの座に返り咲いた。だがお祝いムードは1日で終わった、と木原は語る。
「前回優勝したときに失敗した経験があるので、切り替えていかないといけないんだなという気持ちが強いです」
失敗とは、どんなことなのか。
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「自分たちはそんなつもりはなかったかもしれないんですけど、気のゆるみ、練習の質も落ちている。向上心はあったんですけど、何かかみ合っていなかった」と木原が言うと、三浦が「一番は気のゆるみ。やっぱりあった」と頷く。
「強い存在になれたら」りくりゅうが目指すもの
2人が今見据えているのは、もちろん来季のミラノ・コルティナオリンピックだ。4月に東京で開催される国別対抗戦は、オリンピックの団体戦の予行練習にもなる。
「ソチ、平昌とシングルの選手に引っ張っていただいて、北京からようやく日本の力になると言えるようになった。今回逆に、りくりゅうがいれば大丈夫だよねというような強い存在になれたらいい」。そう木原が言うと、三浦が「そういう存在になれるように、頑張ります!」と力強く頷いた。
オリンピックのその先のことは、考えているのだろうか。40代で現役のカナダのペア選手もいる。そう聞かれると、木原は即座にこう答えた。
「1日でも長く現役を続けたいというのがペアを始めた理由でしたので、今は特にこの大会がゴールというのはおいていない。1日でも長く。それが合言葉です」
2人の1日でも長い活躍を願いたい。

