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「もうグランドスラムには戻れないなって」錦織圭と同学年の〈消えた天才〉森田あゆみの長い苦闘…それでもテニス愛を貫けた「真の才能」とは
text by

山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2025/03/21 17:01

グランドスラム本戦初勝利をあげた2010年のウィンブルドンでの森田あゆみ(当時20歳)
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昨年、二人は選手育成の会社を立ち上げた。その門を叩いてくる選手にはプロもいればジュニアもいるという。
「自分がコーチになってあらためて、丸山コーチがすごいコーチだったんだなと思います。どのタイミングでどういうアドバイスをするとか、ここを伸ばすためにはどんなドリルをするとか……。
選手たちに『丸山コーチじゃないとイヤ』と言われないように、今私は必死です。どの選手のことも全力でサポートしたいので、自分が選手だったときより今のほうがコートにいる時間も長いし、頭も使ってますし、緊張もします(笑)。でも、やりたいことができているので毎日すごく楽しい」
完全燃焼という“才能”
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名刺には『オールアウト株式会社』という社名が書かれていた。「All Out」。意味は、力を尽くす、やり切る、全力を注ぐ……。
「完全燃焼っていう意味もあるんです」
なんと清々しい……。これこそ森田あゆみの天性の才能だった。人の目があろうとなかろうと、信念を携えて目標にまっすぐ挑み続け、出会えた「好き」を全うした。そして今、選手生活に一つの未練も残さず、新たな完全燃焼への旅が始まっている。
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