「おおむね定価の20倍前後」今なお続くMLB東京シリーズ“チケット転売問題”…なぜ不正転売チケットの「無効化措置」は無意味なのか？ 

　一方の「チケジャム」では、出品者と購入希望者の交渉が公開のやり取りで行われている。

　購入希望者のコメントを見ると、

《高齢の父に見せてやりたいのでぜひお値下げお願いします》

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　と情に訴えるものから、

《6万円が200万円とは浮世離れしすぎでは、、、、。現実的な2枚16万円で是非、お譲りください》

《こんな値段では売れないまま試合日を迎えてチケットが紙切れになります。その前に私に決めてください》

　と法外な転売価格を非難するものまで様々だ。

　しかし、大幅な値下げ依頼に対し、転売ヤーたる出品者は総じてドライで、無視もしくは「嫌なら他の方から購入してください」という態度だ。こうした出品者と購入希望者の立場の違いは、「大谷チケット」の転売市場が圧倒的な売り手市場であることを物語っている。

　そんな出品者に購入希望者ができることといえば、「通報しました」「この価格で買う人は、チケットが無効化されるリスクも覚悟の上で」などと、捨て台詞を吐くことくらいである。

転売チケット無効化措置も…なぜ効果がない？

　事実、MLB東京シリーズの公式ホームページでは不正転売チケットに対する無効化措置が宣言されている。つまり、転売ヤーから購入したチケットを持参しても、試合会場に入場できないというのだ。さらに3月7日には、転売サイト運営会社から開示された出品者情報などを調査した結果、カブスと阪神のプレシーズンゲームと開幕戦、あわせて8席分のチケットを実際に無効としたことが公式発表された。

　ところが、現在も活発にチケットの出品や取引が行われていることを見てもわかる通り、転売ヤーにも、転売チケットの購入希望者にも、この措置を意に介するような様子は見られない。

　では、一体それはなぜなのだろうか？

＜次回へつづく＞

#2に続く

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