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「おおむね定価の20倍前後」今なお続くMLB東京シリーズ“チケット転売問題”…なぜ不正転売チケットの「無効化措置」は無意味なのか?

posted2025/03/16 11:01

 
「おおむね定価の20倍前後」今なお続くMLB東京シリーズ“チケット転売問題”…なぜ不正転売チケットの「無効化措置」は無意味なのか?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

大スターの凱旋帰国を現地で見たいファンは多いはずだが、開幕直前にもかかわらず転売による価格高騰という問題が横たわっている

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奥窪優木

奥窪優木Yuki Okukubo

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Nanae Suzuki

 大谷翔平人気に沸く日本のMLBファンたち。だが、そんな人気のウラ側で跋扈するのがいわゆる「転売ヤー」たちだ。今回の日本開催の開幕戦では主催者による「不正転売チケットへの無効化措置」まで出されたが、それでも直前まで転売がやむ気配はないという。一体、それはなぜなのだろうか。《全2回の1回目/つづきを読む》

 東京ドームで開催されるMLB東京シリーズの、ロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスによるメジャーリーグ開幕戦まで残り数日となった。ドジャース大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、カブス今永昇太、鈴木誠也らによる日本人対決にも注目が集まっているが、それらを前に白熱していたのがチケットの争奪戦だ。

 2月16日に行われた一般販売では、複数の公式販売サイトに、数十万人規模の購入希望者が殺到。その多くは申込ページにも辿り着けぬまま、いずれも1時間ほどで予定枚数が完売となった。

開幕戦直前でも…転売サイトにチケットが!

 ところが、試合直前となった現時点でもプラチナチケットを巡る「延長戦」が繰り広げられている。

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 ネット上では、いまなおドジャースとカブスの開幕戦のチケットが大量に出品されている。チケット転売サイトの代表格である「チケット流通センター」と「チケジャム」だけを見ても、その数は合わせて1000件近い。例えば定価6万円の開幕戦の指定席SSS(バックネット裏1階)が150万円で、定価7000円の指定席Cも30万円で出品されている。

 これらはあくまで出品者が設定した「売出し価格」だが、おおむね定価の20倍前後で取引が成立しているようで、チケット流通センターではこれまで500件以上の開幕戦チケットが「取引完了」となっている。2枚や4枚の連番チケットの取引も「1件」としてカウントされていることを考えると、かなりの席数が転売市場に流れ込んでいることがわかる。

【次ページ】 転売チケット無効化措置も…なぜ効果がない?

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