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「ドイツ戦でオファーの質が変わったんです」プレミア移籍舞台ウラを日本代表DFが激白「じつはCL常連クラブからも」〈菅原由勢インタビュー〉
posted2025/03/13 17:00

サウサンプトンにてインタビューに応じてくれた菅原由勢、プレミア移籍の舞台裏から日本代表への思いについて語ってくれた
text by

林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
Taisei Iwamoto
エージェントと「ここで世界を変えられるかも」
2023年9月9日、ドイツ対日本。ドイツがカタールワールドカップ(W杯)のリベンジを果たすのか、それとも再び日本が強敵を破るのか。その結果に大きな注目が集まっていた。そんな中、菅原由勢は誰とも異なる強い思いを秘め、この一戦を迎えていた。
「ここで世界を変えられるかもしれないという話をエージェントともしていました。いいパフォーマンスをして結果を出すことができれば、世界は変わると。そういうふうなマインドに変わっていって、ここで世界を変えようと思っていました」
新たな次元への導き。ドイツ戦を経て、菅原に対して関心を持つクラブのレベルが明らかに変わることになる……。
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昨年の夏、新たな日本人選手が世界最高峰のリーグとして知られるプレミアリーグの門を叩いた。ブライトンの三笘薫のように確固たる地位を築き上げることができた選手は稀で、多くの日本人が挑戦し、その高い壁に阻まれてきた厳しいリーグ。そんな舞台へと足を踏み入れたのが、サウサンプトンに移籍した菅原だ。
思い返せば、菅原が欧州での戦いを選択したのは19歳の時だった。2018年に名古屋グランパス史上最年少となる17歳10カ月でプロ契約を結んだ男は、翌年にU-20W杯に出場。そこでのパフォーマンスが評価され、同年6月にオランダのAZアルクマールからオファーが舞い込んだ。
欧州に来てみると「お前は誰だ」という感じで
若くして欧州の舞台で戦う。今では多くの選手が10代や20代前半で欧州の地に飛び立つようになったが、当時は決して多かったわけではない。だからこそ、簡単な決断ではなかったはずだ。ただ、菅原の言葉を思い返すと、その時から強い信念を持って世界に飛び立っていたことがわかる。
「間違いなく、若いうちから外の世界に出ることは良いことだと思っています。日本にいたらいろいろな難しさがあると思っていて、例えばプロサッカー選手になって周りからチヤホヤされたりしてメンタルが安定しないかもしれない。そんな中、こっちにきてみると思っているほどチヤホヤされないし、『お前は誰だ』という感じで見られる。そうなると、その地で自分の名を馳せないといけないですし、自分自身が誰なのかを証明しないといけない。常に自分自身、チームメイトとの戦いがある。日本と比べると競争意識も全然違うし、早い段階で触れられるのは良いことだと思います」
オランダでの日々は刺激に溢れていた。