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「ドイツ戦でオファーの質が変わったんです」プレミア移籍舞台ウラを日本代表DFが激白「じつはCL常連クラブからも」〈菅原由勢インタビュー〉 

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林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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posted2025/03/13 17:00

「ドイツ戦でオファーの質が変わったんです」プレミア移籍舞台ウラを日本代表DFが激白「じつはCL常連クラブからも」〈菅原由勢インタビュー〉<Number Web> photograph by Taisei Iwamoto

サウサンプトンにてインタビューに応じてくれた菅原由勢、プレミア移籍の舞台裏から日本代表への思いについて語ってくれた

 移籍を実現できなかった菅原は、今の状況を打破する上で、ドイツ戦が持つ意味を深く考えた。ここで結果を残せれば、未来は変わるかもしれない。やるべきことは決まっていた。

 前半11分、さっそく菅原は自身の思いを結果に結実させる。高い位置でボールを受けると、縦にドリブル突破してクロス。伊東純也の得点をお膳立てし、日本に先制点をもたらした。同点に追いつかれた直後の22分には、鋭いオーバーラップから見事なグラウンダーのクロスで起点となり、上田綺世の勝ち越し弾に絡んだ。守備では粘り強く戦ってセルジュ・ニャブリを完封した。

オファーの次元が…イタリア強豪やCL常連クラブから

 手応えはあった。インターナショナルマッチウィークを終えてオランダに戻り、クラブでも結果を残し始めると、少しずつオファーがくるようになった。すると、今までと明らかな変化が生まれていた。

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「僕に対して興味を持ってくれるクラブの数と質が全く変わったんです。ドイツに勝ったことが相当、サッカー業界に反響があって。そういうところから名前を知ってもらってだいぶ変わった。次元が変わりましたよ。イタリアの強豪やCL常連のクラブから話がきたり。この時に、本当にタイミングが来たんだなと感じました」

 これまでも移籍はしたかった。ただ、3年目や4年目のタイミングで移籍をしていたら、プレミアへの扉は開かれていなかったかもしれない。菅原は改めて、このタイミングがステップアップの時期だったんだと前を向く。

「もちろん、もっと早くステップアップしたかったですけど、でもその先にいる選手たちと対等に勝負できていたかと言われたら、あのときの実力だったら難しかったんじゃないかと思う部分があって。準備ができていたかを考えたときに、能力として多分できてなかったなと今はものすごく感じる。結局、それに伴う活躍、能力があれば、正当なオファーが絶対出てくると思う。だから、結局それが僕になかったというのは僕の実力だったんだなと。逆にAZの5年目を終えたときには、完全にプレミアリーグのクラブでもやれるという確信を得られた。周りからの評価も変わり、今がステップアップするときだなと感じました」

英国で待っていた「オランダとは全然違うレベル」

 AZでの5年間、自分に向き合い、ただひたすら目標に向かって突き進んできたからこそ扉は開かれた。まさに世界は変わったのだ。

「5年かかったという言い方もできるし、かけたという言い方もできる。もちろんもう少し満足のいく成長ができていれば、3年目、4年目にチャレンジはできていただろうけど、僕が一番行きたかったプレミアにたどり着けたわけなので。結局行きたいところに行けたかどうかが、成長できたか、できなかったかになってくる。そういう意味では、着実に成長していったんだと思います」

 日々の積み重ねにより夢にまで見たプレミアリーグの舞台にたどり着いた。期待とワクワク。今までとは違うレベルと環境。楽しみにしていた世界に足を踏み入れることに興奮していた。ただ、そこで待っていたのは「オランダとは全然違うレベル」のフットボールだった。〈つづく〉

#2に続く
「悪魔的リーグです。ズタボロにされたら評価が…」地獄のプレミアを味わう日本代表DFだが「つらさ? 全くないっすよ」なぜ菅原由勢は前向きか

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