サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER

「ドイツ戦でオファーの質が変わったんです」プレミア移籍舞台ウラを日本代表DFが激白「じつはCL常連クラブからも」〈菅原由勢インタビュー〉 

text by

林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

PROFILE

photograph byTaisei Iwamoto

posted2025/03/13 17:00

「ドイツ戦でオファーの質が変わったんです」プレミア移籍舞台ウラを日本代表DFが激白「じつはCL常連クラブからも」〈菅原由勢インタビュー〉<Number Web> photograph by Taisei Iwamoto

サウサンプトンにてインタビューに応じてくれた菅原由勢、プレミア移籍の舞台裏から日本代表への思いについて語ってくれた

 加入当初は出場機会を得られない時期もあったが、少しずつ信頼を勝ち取り、ヨーロッパリーグでマンチェスター・ユナイテッドなどの強豪チームと戦って経験値を積む。着実に自身のレベルが上がっていることは実感していた。

 だが、頭を悩ませたのはなかなかステップアップができなかったことだ。加入3年目の2021-22シーズンはリーグ戦33試合に出場して1得点4アシスト。ベスト16まで進んだカンファレンスリーグでも2つのアシストを記録した。翌22-23シーズンはより攻撃的なスタイルに転じ、リーグ戦31試合3得点、8アシスト。カンファレンスリーグではラツィオなどを破りチームの準決勝進出にも貢献した。

移籍できず…市場が閉まって2、3日は考えましたね

 目に見える結果を残した。自分の中でもっと上でやっていける自信もあった。しかし、菅原に吉報は届かなかった。当時をこう振り返る。

ADVERTISEMENT

「4年目が終わった時はすごく移籍したかったし、行ける準備はできていると思っていました。実際にオファーはあって移籍の最終日まで戦っていた。でも結局もう1年、AZでやらなきゃいけないとなった。その時の感情は正直……移籍市場が閉まってから2日か3日ぐらいはいろいろ考えましたね。落ち込んではないですけど、『ここからの1年どうしたらいいんだろう、どうしたらもっと成長できるんだろう』とものすごく考えました」

 それでも、こういう時に落ち込まないのが菅原らしい。常に明るく、周りを元気にさせるムードメーカーである菅原は、自身に対してもポジティブな姿勢を貫くよう心がけている。言葉にすれば簡単だが、それを貫くことは難しくはないのかと聞くと、「僕は自分のサッカー人生を長期的なスパンで見てるんです。だから、一喜一憂しないようにすることは心がけていて」と笑顔で切り返し、こう続ける。

「例えば、良いプレーができた、悪いプレーをしたかに意識や考えを向けるのではなく、最終的にたどり着きたいところを見据えて、それが必要だったかどうかを捉える。もっとこうできるんじゃないか、これが課題なんじゃないかと思うようにしています。活躍して結果さえ残せば、世の中の評価なんていつでもひっくり返せる。だからこそ自分がまず真剣に考えて向き合うことによって、良いときも悪いときも変わらずに一定のメンタルでプレーができるようになる。だから、落ち込むことは全くない。常にうまくなりたい、もっと自分はこうなりたいんだっていうのを目標にやっています」 

ドイツ戦で結果を残せば、未来は変わるのでは

 そして、時はドイツ戦の日に遡る。

【次ページ】 オファーの次元が…イタリア強豪やCL常連クラブから

BACK 1 2 3 NEXT
#菅原由勢
#サウサンプトン
#AZ

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ