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「三笘警察のみなさん、すみません…」日本代表三笘薫26歳の“ナゾの聖地”駅…西鉄の三苫駅には何がある?「思わぬ絶景にビックリした話」
posted2023/06/18 17:02
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph by
Getty Images/Masashi Soiri
予言タコのパウルくんにはじまって、世界的なスポーツの大会となると、勝敗を予言する動物が現れる。昨年末のカタールW杯ではパンダが、先のWBCでは、那須どうぶつ王国のインコが勝敗予想をして、それがニュースに取り上げられていた。別にケチをつけるつもりはないが、どうでもいいサイドストーリーである。もちろん、予言する(というかさせられる)動物たちが悪いわけではなく、大会が盛り上がると何でもかんでもネタにしようとするメディアの業がなかなか深い、ということなのだろう。
そして、今回も動物の予想ではないけれど、まったく似たようなことをしようとしている。やってきたのは、九州は福岡県福岡市東区。博多駅から地下鉄、そして西鉄貝塚線と乗り継いで、三苫駅にやってきた。そう、あのサッカーの三笘薫選手と同じ“みとま”という名の駅だ。「なんだか、一部では聖地みたいになっているらしいですよ」などと編集氏が言うものだから、いったいどんなところなのか見に来たのだ。三笘選手ご本人とは、それこそ1mmの関わりもない、邪念に満ちたサイドストーリーである。
ちなみに、三笘選手はたけかんむりの“笘”、三苫駅はくさかんむりの“苫”。この違いがあることを最初に明確にしておいて、三苫駅に何があるのか、歩いてみることにしよう。
三苫駅には何がある?
三苫駅があるのは、先にも書いたとおり西鉄貝塚線である。西鉄というと、古き野球ファンは西鉄ライオンズを思い出すかもしれないが、それはあまりに古すぎる。むしろ福岡最大の繁華街である天神をターミナルとして、久留米、大牟田方面に延びる西鉄天神大牟田線や、福岡市内を中心に九州各地で活躍する西鉄バスの存在で名を知られる。貝塚線はそうした西鉄のネットワークのひとつで、貝塚駅から西鉄新宮駅までを結んでいる。
三苫駅はその途中、海の中道という玄界灘に突き出た細長い砂嘴の付け根に位置する。貝塚駅からはおよそ20分、JR鹿児島本線と近接し、松本清張の『点と線』にも登場する西鉄香椎駅からは10分ちょっとの場所だ。乗り換えは必要だが、博多駅からも40分ほどで到着する。つまりは、福岡市街のベッドタウンというわけだ。
実際、駅を出ると目の前の大きなロータリーの先には、戦後の高度経済成長期以降に整備されたのであろう住宅地が広がっている。戸建て住宅が建ち並び、油断をするとすぐに道に迷ってしまいそうな、そういう住宅地の玄関口が三苫駅なのである。