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中谷潤人27歳“美しく無慈悲なKO”の全貌「自信満々だった挑戦者が…」無敗クエジャルが味わった“残酷な現実”「完敗という悪夢に呆然としていた」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byHiroaki Yamaguchi

posted2025/02/25 18:10

中谷潤人27歳“美しく無慈悲なKO”の全貌「自信満々だった挑戦者が…」無敗クエジャルが味わった“残酷な現実”「完敗という悪夢に呆然としていた」<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

無敗の挑戦者クエジャルを粉砕した中谷潤人。3ラウンドのKOシーンでは圧巻のコンビネーションを見せた

「井上選手とやるのであれば…」中谷潤人の構想

 今回の圧勝により、中谷は希望しているバンタム級での統一戦、スーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥(大橋)とのドリームマッチにまた一歩前進した。試合直後のリングにはIBFバンタム級王者の西田凌佑(六島)が登場。両チャンピオンは統一戦の実現をファンにアピールした。

 ただし、これらのプランが滞りなく進むかどうかは不透明な部分も残る。まずはIBFが西田に対し、中谷との統一戦を認めるかどうか。現時点ではまだクリアできていない。もしIBFの認可が下りれば6月のプライムビデオ興行で統一戦が実現する見込みだ。

 今後について中谷は「次が統一戦だと思っています。4団体統一? すぐできるのであればやりたいですけど、体に無理してまでは考えていない」と説明。筋肉量が増し、減量は徐々にきつくなっているとも明かした。さらにドリームマッチについては「井上選手とやるのであればしっかり体を作らなくてはいけない」と語り、これまで通りスーパーバンタム級に上げて1、2試合準備してから井上に挑む考えを示した。

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 世界のモンスター、井上との対戦話が浮上してからというもの、中谷は世界タイトルマッチであっても「圧勝」が半ば義務づけられたと言えるだろう。圧倒的な勝利の積み重ねこそが、「モンスターとの勝負をぜひ見てみたい」というファンの期待を高めるからだ。

 そうした重圧のかかる中、涼しい顔で当たり前のように圧勝を重ねる中谷は見事というほかない。次戦に統一戦が実現することを願おう。バンタム級を牽引する中谷に同じサウスポーの西田がどう挑むかも楽しみである。

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