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「絶対に連敗は許されない」なぜ那須川天心の挑戦を受けた? “崖っぷち”34歳モロニー「井上尚弥と戦ったから今がある」「テンシンは経験が足りない」

posted2025/02/21 17:01

 
「絶対に連敗は許されない」なぜ那須川天心の挑戦を受けた? “崖っぷち”34歳モロニー「井上尚弥と戦ったから今がある」「テンシンは経験が足りない」<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

2月24日、有明アリーナで那須川天心と対戦するジェーソン・モロニー(34歳)

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroaki Yamaguchi

 “崖っぷちの戦い”――2月24日に有明アリーナで行われるバンタム級10回戦は、那須川天心にとっては初のテストマッチでも、対戦相手のジェーソン・モロニーにとっては絶対に負けられない正真正銘の“マストウィン・ファイト”なのだろう。

 2023年5月にWBO世界バンタム級王者になって悲願を達成したモロニーだったが、昨年5月、2度目の防衛戦で武居由樹に判定負けで王座陥落。ここで売り出し中の那須川にも敗れれば、その評価と商品価値に大打撃は必至だからだ。

「この試合は私のキャリアで最も重要な試合です。2連敗はできません。もちろん才能ある選手と敵地で戦うわけだから、リスクはあります。ただ、私はまだ向上しており、再び王者になるためのものは備えていると思っています」

「彼らの選択が間違っていたと証明する」

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 一度でも世界王者になれば、一生“チャンピオン”と称すことが許されるのがボクシングの世界。それでも再度の世界タイトル挑戦と高額収入を得るチャンスがある時間はごく限られていることを、オーストラリア、アメリカ、日本、カナダと世界各国で戦い続けてきたモロニーはもちろん熟知している。叩き上げの前王者がこれほどの覚悟で臨んでくるのだから、ボクシング転向以来5戦全勝(2KO)と勢いをつける那須川にとっても楽な試合にはならないはずだ。

「那須川陣営がステップアップの相手としてが私を選んだ理由は、まずは私が前世界王者であること。もう一つは、前戦の武居戦で私がそれほどいい戦いができなかったことなのでしょう。武居戦での自分の戦いには自分自身が落胆させられましたが、すべてのことには理由があって起きる。私を選んでくれたことに感謝もしています。私の今回の仕事は彼らの選択が間違っていたと証明することです」

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#ジェーソン・モロニー
#那須川天心

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