「アホ！バカタレッ！」巨人にドラフト指名回避された星野仙一だが…中日で監督批判しても炎上しなかったワケ「名古屋マスコミが星野さんを」 

「アホッ、こんなところで代えやがって！　バカタレが！」

　僕が南海から阪神に移籍した1977年から引退する81年までの5年の間、ナゴヤ球場であれ、甲子園であれ、星野さんが登板し、途中で交代すると決まってこんなシーンが繰り広げられたことを知った。けれども、僕は当時から星野さんがマウンドから降りるときの顔を見て、「こりゃただごとでは済まされないな」と毎回感じていた。なぜなら、本人が全然納得していないのが一目瞭然だったからだ。

「アホ！」と怒鳴っても表沙汰にならないワケ

　聞けば星野さんは、降板するたびに決まってこのような態度をとっていたという。けれども、考えてみてほしい。「アホ」「ボケ！」は誰に対して言っていたのかということだ。

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　その答えは、首脳陣に対してである。

　僕が阪神に移籍した年の中日の監督は与那嶺要さん、その翌年から3年間は中利夫さんだった。「アホ」という言葉が監督に向けてのものなので、本来であれば、立派な監督批判である。

　だが、星野さんがどんなに「アホ」と怒鳴っても、それが表沙汰にならない。その理由として、「名古屋のマスコミが星野さんを守った」ことが考えられる。〈つづく〉

#3に続く

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