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「カーブ、本当はもっと落ちるんですけどね」FA移籍・石川柊太に育成から復帰・石川歩も…若手中心の中、ロッテキャンプで注目の仕上がりは誰?
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2025/02/12 11:01

「カーブ、本当はもっと落ちるんですけどね」
新戦力だけに、いろいろすり合わせが必要なようだ。
一番奥のレーンではタイロン・ゲレーロが投げている。22年に一度在籍し、出戻った投手だ。203cmの巨漢、22年はセットアッパーとしてそこそこの活躍だったのだが、この日のブルペンは球がばらつき、今一つの印象。
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昨季、正捕手になった佐藤都志也が挨拶をしながらブルペンに入って来る。ゲレーロが上がった後のレーンで、左腕・坂本光士郎の球を受ける。22年シーズン中にヤクルトから移籍し、ここ2年、中継ぎ投手としていい働きをしてきた。小気味よいテンポで投げ込んでいく。
「次、クイックいきます」
静止状態から突然、ごく小さなフォームで腕を振って投げる。これで結構な球威があるから驚きだ。
佐々木朗希に代わるローテの核となるか
この日のブルペンは結局、8人が投げた。吉井理人監督も顔を見せて、捕手の後ろで投手陣を凝視していた。種市篤暉、小島和哉ら、主力組も順調のようだ。石川柊太は、佐々木朗希の穴を埋めないまでも、ローテをしっかり維持できるのではないかと感じられた。メイングラウンドでは上田、今年から中日から加入した石垣雅海、これも2019年にソフトバンクから来た茶谷健太が、バッティングケージに入っている。
こうしてみると、千葉ロッテは「移籍組」が結構多いことに気づく。
このあとは「Live BP」となる。MLBで使われていた言葉だが、最近、NPBでもよく見られるようになった。実際に投手が投げる球を打者が打つ点はシートバッティングに近いが、野手は守備に就かないことが多い。野手は塁上にいて打球のとんだ方向に対応して走塁をするのだ。
この日は、投手は育成の中村亮太、秋山正雲、田中楓基、永島田輝斗が投げ、打者は上田や茶谷らが打った。実戦的な練習が始まっている。
澤村拓一、角中勝也、荻野貴司などベテラン組は、都城で始動している。ネフタリ・ソト、グレゴリー・ポランコもまだ合流していない。石垣島の一軍キャンプは若手中心ではあったが、特に投手陣の仕上がりに期待が持てるように思えた。〈第1回からつづく〉
