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「あそこまでいくと現状維持でもいいのに…」ロッテ・藤岡裕大が惚れ込む同い年の天才バッター「少しでも何か吸収したい」“近藤塾”の効能
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byKYODO
posted2025/01/26 11:02
中心選手としてさらに飛躍が期待されるロッテ・藤岡
「引っ張る!」に込めた決意
藤岡にとってプロ8年目は大切なシーズンとなる。23年はクライマックス・シリーズファーストステージの延長10回に3点ビハインドの場面から同点3ランを放ってファイナルステージ進出を引き寄せ、ファンの間で「幕張の奇跡」と語り草になるような活躍を見せた。しかし、昨年は不完全燃焼の1年となり、「納得はしていない」と口元を引き締める。昨年末の契約更改後には、メディアに向けた会見で渡された色紙に「引っ張る!」と力強く書き込み、強い決意を口にした。
「とにかく出塁率、長打率を大事にしていきたい。去年よりも大きくいい成績を出したい」と藤岡。チームに欠けている長打の部分を補うため持ち前のパンチ力と強いスイングを生かした打撃での貢献を目指す。
具体的な数字として意識しているのはOPS(出塁率+長打率)だ。近藤はリーグトップの.960で今年は10割越えを目指すという。昨年、藤岡は.707。「.800近くは最低でも。そこを目指してそれ以上の気持ちでいる」と掲げる。
「彼はやっぱりそういう選手」
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徳之島での自主トレは1月7日に始まり21日で打ち上げられた。日本球界で最高の打者であり、最高の友と過ごした充実の日々。
「彼もまだまだ年々、成長しています。それに引っ張られて自分も色々なことに挑戦して出来ている。それがいい結果につながっていると思う」
そしてこう続けた。
「8月9日生まれ。野球の日ですよ。すごくないですか。彼はやっぱりそういう選手なんですよ。ボクは一日早く生まれだけ」
好天の空を見上げてニヤッと笑った。
2月の春季キャンプを経て3月28日、パ・リーグが開幕する。マリーンズが敵地に乗り込み迎えるのはホークス。近藤ら強打者が揃うチャンピオンチームを倒し、悲願のリーグ優勝に向けて勢いに乗りたいところだ。近藤イズムを吸収しながら進化を目指す「背番号7」は、そのチームを牽引すべく闘志をたぎらせている。