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「あそこまでいくと現状維持でもいいのに…」ロッテ・藤岡裕大が惚れ込む同い年の天才バッター「少しでも何か吸収したい」“近藤塾”の効能 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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posted2025/01/26 11:02

「あそこまでいくと現状維持でもいいのに…」ロッテ・藤岡裕大が惚れ込む同い年の天才バッター「少しでも何か吸収したい」“近藤塾”の効能<Number Web> photograph by KYODO

中心選手としてさらに飛躍が期待されるロッテ・藤岡

 昨年も開幕当初、ストレートがとらえきれずファウルになることが多い時期があったが、しっかりと自己分析をして結論を出した。

「今までだったら、ただ打ち込んでなんとかしようとしていたかもしれないけど、冷静に考えて分析して修正を加えることができた。そこからストレートにも少しずつ対応できるようになって長打も増えた。引き出しが多くて困ることない」。藤岡はそう振り返る。

名だたる選手が集結

 今年の「近藤塾」のメンバーは8名。バファローズの西川龍馬外野手ら6球団の名だたる選手が天才バッターに吸い寄せられるように集った。皆が揃って賞賛するのは近藤のあくなき向上心だ。

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 最高出塁率のタイトルを4度受賞し、ベストナインには5度選出された。23年には最多本塁打に最多打点。昨年はMVPと首位打者となり、リーグ優勝の立役者となった。栄光を極めたタイトルコレクターだが、そんな近藤が今なお「まだまだ」と上を見据える。

 藤岡は言う。

「いつも何か新しいことはないかと取り組んでいる。いろいろな専門家の方をお呼びして話を聞いたりしている。ここまできたら守りに入ってもおかしくないのにそういう部分は全くなくて、毎日、時間のすべてを成長のために考えている感じ。そういうところもものすごく刺激になる」

飽くなき向上心

 徳之島には毎年、様々な分野の専門家を招待するなどして知らない話に耳を傾けている。新しい練習方法や身体にいいことを試す。

 以前から取り入れているピラティスは念入りに行う。練習前に1時間。そしてもう一度、打撃練習を終え、ウェート前にも再度、体をほぐし温め可動域を広げるために行っている。身体にいいと思ったことはどんどん取り入れ加えている。藤岡も今年は体幹と柔軟性を意識した練習メニューを行いながら、食生活では炭水化物を減らし、タンパク質を意識して体脂肪を落とすなど新しいことに挑戦している。

 近藤がさらに凄いのは、自分だけのことだけにとどまらずより良い環境作りに投資を惜しまないことだ。自主トレで使用する室内練習場の芝を1500万円の実費で負担し、宿泊先にも疲れを癒すための大浴場を作った。今年は多くの人に自主トレを見てもらうために、配信アプリによるライブ中継も試みた。多岐に渡る好奇心と、なにか新しい事に取り組もうとする姿勢。バッティングだけではなく、その行動のすべてが藤岡ら自主トレメンバーにとって大きな刺激だ。

【次ページ】 「引っ張る!」に込めた決意

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