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「プロレスは今しかできない」“100万人に3.5人の難病”とも向き合いながら…スターダム・向後桃が語った覚悟「病気だから諦めるのってイヤなんです」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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photograph byEssei Hara

posted2025/01/24 17:03

「プロレスは今しかできない」“100万人に3.5人の難病”とも向き合いながら…スターダム・向後桃が語った覚悟「病気だから諦めるのってイヤなんです」<Number Web> photograph by Essei Hara

難病を抱えながらプロレスラーとして生きる向後桃。「ベルトを取って海外でも戦いたい」と意欲を見せる

大河ドラマにも出演…向後桃の日常

 向後はコーヒーについてきた砂糖を見ると言った。

「茶色い砂糖、大好き。甘党過ぎてよくアメのようにガリガリかじっていました。好きな食べ物? 肉です。焼肉、ステーキ。それからカレーライス。ハンバーグも。うーん、唐揚げも捨てがたい……。あまり上手じゃないですけれど、家でカレーライスとオムライスは作るんです。後はお魚焼くくらい。『魚久』でお徳用パック買って、フライパンで焼いています」

 食べたい気持ちがストレートに伝わってくる。病気について語るときも、その口ぶりは常に前向きだ。

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「日光が病気を悪化させるので、部屋の窓にも紫外線除けのフィルム張りました。普段は日傘をさしているけれど、海が大好きだから行っちゃいます。次の日、顔が大変なことになっちゃいますが、治せばいいので」

 海が大好きな向後は、2016年に自ら「ミス湘南コンテスト」に応募してグランプリに選出された。

「最初で最後のミスコンです。そこから、テレビで映像の仕事をいただいた。神奈川のおいしい店を紹介する番組。1日に何軒も回りました。4軒行ったかな。食べられるんです。一気にブワーっていうよりは、次のロケ、また次っていうように。新木場で木村響子さんがやっていたイノシシ弁当、1日で3つ食べていました」

 向後はNHKの大河ドラマ『いだてん』や『麒麟がくる』にも出演して、映画『親鳥よ、静かに泣け』では主演を務めた。岩谷の自伝映画『家出レスラー』にもゼネラルマネージャー役で出演している。昨年11月から12月に行われたタッグリーグ戦では、岩谷とのタッグ「Peach☆Rock」を結成した。

「トラースキックとか、麻優さんと同じ技も使っているんですが、足の位置や頭の位置が違う。いっしょに試合をすることで、麻優さんの間が自分と全然違うことに気づいた。間って一番大事。私は今まで間を恐れ過ぎていた。だから、淡々と攻めているように見えるんです。それじゃないんだなあ。細かいことの積み重ねで、それが膨大になる。動画を見て反省してます。2人で息を合わせて攻撃するのはタッグならではのこと。4人とか5人で、STARSで組んでいたのとは違う。学ぶことが多かったです。麻優さんの間を感じ取れた。ここはこんなに間があるのに、こっちはこんなに速いんだ、ついて行かなきゃ、って」

【次ページ】 “100万人に3.5人”の症例でも「それも含めて自分」

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