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「なんで誰も気づいてくれないのかな、って」殿堂入りの元中日・岩瀬仁紀「愛知県出身」だけじゃないイチローとの“ある共通点”と色褪せぬ偉業
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/01/18 17:00
野球殿堂入り通知式で記念写真するイチローさんと岩瀬仁紀さん
17回3分の2を投げてわずか6安打、19奪三振。完全試合を含めて6セーブというとてつもない記録が残っている。1002試合にも407セーブにも含まれないが、シーズンとCSを投げきった先に待つ最終決戦で、無類の強さを発揮した。
「死神の鎌」は天性の軌道
「死神の鎌」と相手打者を恐れさせたスライダーは、本格的に投手になったNTT東海2年目に急激に曲がるようになった。打者からすれば曲がり始めが遅い上に、変化量は並外れている。「ストレート」だと判別してスイングを開始したのに、左打者なら外角のはるかボールゾーンへと離れていく。誰とも違う軌道は岩瀬氏に言わせれば「教えられるものではない」。野球の神様から授かったギフトなのだ。
「イチローさんといっしょの年に殿堂入りが決まったのは、何か運命的なことを感じますし、イチローさんは世界が認める選手。光栄です」
愛知県から生まれた2つの巨大な才能。資格を得て2年目の選出となったことで、イチローと同時になったことを喜んだ。表彰式の日程は後日発表されるが、例年通りならオールスター第1戦(京セラドーム大阪)が開催される7月23日となる。