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「リュウキ、ちょっとおいで」DeNA度会隆輝が筒香嘉智に声をかけられた日…「誰にもないもの」を武器に2年目こそ「自分もシリーズの舞台に立つ」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byJIJI PRESS

posted2025/01/13 11:00

「リュウキ、ちょっとおいで」DeNA度会隆輝が筒香嘉智に声をかけられた日…「誰にもないもの」を武器に2年目こそ「自分もシリーズの舞台に立つ」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

スーパールーキーとしてデビューした度会隆輝の1年目の成績は75試合出場で.255、3本塁打、24打点、2盗塁。潜在能力はこんなものではないはずだ

 バッティングに加え、守備でもミスが目立つようになり、相手チームにあげなくてもいい得点を与えてしまい勝敗を左右することもあった。注目される存在がゆえに、その光と影は色濃く浮かび上がる。天真爛漫な性格ゆえに、冷静さを保とうとしても喜怒哀楽がどうしても表立ってしまった。これは度会のよさでもあるのだが、悪いときは周囲に影響を及ぼすほどの悲壮感が漂ってしまう。

筒香にかけられた言葉

 そんなとき声を掛けてくれたのが、横浜高校の先輩であるベテランの筒香嘉智だった。

 守備でミスをした試合後、落ち込んでいる度会に、筒香は「隆輝、ちょっとおいで」と呼び出し自分の傍らに座らせた。

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「いいか隆輝、ミスは誰でもするし、俺もミスを何回もしたことある。けど、気にしたり引きずっちゃダメだ」

誰にもないものがあるんだから

 そして次の言葉が度会の心を救った。

「ここの誰にも持っていないものを隆輝は持っている。お前にしかできないことがあるのだから、自分らしく頑張りなさい」

 その後、8月中旬に度会は再び一軍登録を抹消されるが、課題である走攻守すべてにフォーカスし、暑い盛りに自分自身に向き合った。ファームでは年間を通じ、49試合に出場して打率.347。もはやバッティングに関してはファームレベルではなく、さらなる守備走塁でのビルドアップ、そして本人が言うように調子の波をいかに小さくするかが今後の課題となる。

 そして26年ぶりの日本シリーズ制覇となったポストシーズン、度会は登録選手には名を連ねていたが、結局ベンチ入りすることはなかった。あの激しい戦い、歓喜の光景をどのような気持ちで見ていたのだろうか。

【次ページ】 三浦監督の期待

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