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「リュウキ、ちょっとおいで」DeNA度会隆輝が筒香嘉智に声をかけられた日…「誰にもないもの」を武器に2年目こそ「自分もシリーズの舞台に立つ」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/01/13 11:00
スーパールーキーとしてデビューした度会隆輝の1年目の成績は75試合出場で.255、3本塁打、24打点、2盗塁。潜在能力はこんなものではないはずだ
「とにかく自分も出たかったということに尽きます。チームが優勝してうれしいことはうれしかったのですが……。自分の力が足りなかった。とにかく来年は、自分もあの舞台に立ちたい。今はそこが一番ですね」
もどかしさと悔しさが漂う口調だが、どこか力強さも感じられた。まだ始まったばかりのプロ野球人生。あの日があったから今の自分がある、といつか言えるようになりたいと度会は前を向く。
三浦監督の期待
今季の一軍での成績は75試合に出場し打率.255、出塁率.306とルーキーとしては決して悪い数字ではない。また長打率は.327と持ち味も発揮することができた。
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指揮官である三浦大輔監督は、度会のプロ1年目を次のように評している。
「ポテンシャルが高いのは言うまでもありません。あの春先のバッティングは普通のルーキーだったらできませんからね。ただ、プロの世界はイタチごっこ。何百回と対戦しますから、研究されて対策されて、次はこうしようああしようの繰り返し。そこでどこまで我慢できるかなのですが、そこでだいぶ苦しめられた部分はありましたね」
三浦監督は冷静に言うと、期待を込めて次のようにつづけた。
将来はレギュラーになってもらわないと
「バッティングに関してコンタクト能力は高いのですが、走塁面や守備面、判断力の面でまだまだのところがある。例えばスタメンから外れてベンチの中に置いておいても、彼の場合は代打で出るタイプではないですし、可能性を秘めた選手なので、そこはファームでいろいろなことを学んでもらいました。
スター性はありますし、将来的にはレギュラーになってもらわないといけない選手。今しかできないこと、学ぶことはたくさんあるので、しっかりとそこに向き合って、2年目を迎えて欲しいですね」
改めて度会は昨季を振り返り、静かに闘志を燃やす。