ドラ1で楽天入団→IT企業→広告代理店→テレビ局員に…北海道No.1進学校出身「ナゾのドラ1投手」の波乱万丈　心に残る「野村克也監督の言葉」とは？ 

　想いを綴りながら寺田は、「でも、今の仕事もインターネットなんですけどね」と笑う。

　現在は民放局による見逃し無料配信動画サービス『TVer』のセールスを担当する。同サイトの視聴者層は女性が多いが、スポーツだと男性が圧倒的多数となる。そういったマーケットを仔細に分析し、クライアントに提案することがあるが、今はもっぱらシステム運営業務がメインになりつつあるという。

「自分の分野を見つけた、というのはあると思っています」

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　プロ野球選手を引退後、いくつかの企業を渡り歩いた。そうして定着したのが、広告業というセカンドキャリアである。

　寺田の歩みを辿れば、現在に繋がるのはあるいは必然だったように思う。

　職歴を見ても、少なくとも博報堂やTBSは「大卒」が一般採用の必須条件となる。もし、寺田が現役時代から早稲田大eスクールで学んでいなければ、今は存在しない。

「それはめちゃめちゃ思いますね。大卒じゃないと入れない会社って結構多いんで」

現役時代を回想して…浮かぶ野村監督の言葉

　充実したセカンドキャリア。いくらか心にゆとりが生まれた寺田がプロ野球選手時代を思い返してみると、ある言葉が浮かぶのだという。

「知らないより、知ったほうがいい」

　寺田が楽天に入団した当時の監督である野村克也が、常々説いてきた人生訓である。

「プロ野球選手が本業なら、そこは絶対に疎かにしちゃいけないですけど、野球以外で興味のあることができたら、その分野を一生懸命、学んだり、行動に移してみたらいいと思うんですよ。『知らないより、知ったほうがいい』って、今すごくわかります」

　プロのユニフォームを着て学んだ学生時代。

　チームメートから白い目で見られようと、自分を曲げずに見識を広げてきた。

　そんな生き方でも間違っていなかったのだと、今の寺田龍平が証明している。

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