ドラ1で楽天入団→IT企業→広告代理店→テレビ局員に…北海道No.1進学校出身「ナゾのドラ1投手」の波乱万丈　心に残る「野村克也監督の言葉」とは？ 

　寺田はこの期間にシステムエンジニアの資格を取得するなど、社会で生きていくための必要スキルを学び、プロ野球選手時代から受講していた早稲田大eスクールも卒業できた。

　社会人として3年。自立を果たした寺田の懐が深くなる。知人に誘われプロ野球観戦に行くと、純粋に選手を応援し、試合を楽しめている自分がいた。

　そこで、自然とこう思うようになっていた。

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「スポーツの仕事がしたいな」

　ここが、寺田のセカンドキャリアにおける2度目の転機となった。

　伝手はあった。楽天在籍時の球団広報が独立してスポーツマネジメント会社を設立しており、寺田が引退してIT企業に就職してからも定期的に連絡してくれていた。自分が次のステップを思案している最中「力を貸してほしい」という先方からのオファーも後押しとなり、転職することとなった。

転職を経る中で…「広告の仕事って面白いな」

　寺田がこの会社で惹かれたのは広告だった。

　アスリートなどのマネジメントが主な業務ながらも広告営業にも力を入れており、寺田は「選手の給料ってこうやって支払われているんだ」と興味をそそられた。

「球場の看板の具体的な金額とか、野球だとヘルメットとかの道具に広告を入れるにはどういうプロセスを踏めばいいのかとか、スポンサーセールスを教えてもらいました。仕事に慣れてきたら自分から提案をさせてもらえたし、『広告の仕事って面白いな』と思うようになりました」

引退後のIT企業を経て「スポーツの仕事がしたい」と思ったという寺田。そこで広告業の魅力と出会う　©︎Genki Taguchi

　一時はスポーツ業界での仕事を志した寺田は広告業の魅力を知り、マネジメント会社を2年で退職。17年に博報堂DYデジタルに移って主にウェブ広告を担当し、20年からはTBSで働いている。

　寺田がテレビ局に転職したのは、自身にとって新たな広告分野の開拓を望んでいたからだ。

「そもそもテレビの広告に興味があったんです。最近では『インターネットの広告料のほうが増えている』と言われますけど、僕としてはまだテレビの力は偉大だと思っていて。情報の瞬発力や拡散力があるし、視聴者が多いイメージがあって。そういう業界に携わりたいなと思ったんです」

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