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「オファーが何個もなんて、そもそも」日本代表MF田中碧が明かす英国移籍の真相…なぜリーズで即“絶対的信頼”を得たか「タナカなら確実にね」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2025/01/18 11:01

「オファーが何個もなんて、そもそも」日本代表MF田中碧が明かす英国移籍の真相…なぜリーズで即“絶対的信頼”を得たか「タナカなら確実にね」<Number Web> photograph by REX/AFLO

夏の移籍市場期限ギリギリの加入ながら、即リーズの主力に。田中碧はどのように仲間の信頼を得ていったか

「実は、オファーが同時に何個も届いて、その中から一つを選ぶ状況なんて、そもそも、ほとんどないんです」

 移籍の噂に関するニュースや情報は年々、盛り上がりを見せている。今では移籍情報専門のSNSアカウントや記者までいる状況だ。ただ、実際のオファーとその種の噂の両方に触れる選手として——“現場のリアル”を田中はこう話す。

「1つのオファーが届いて、(悩んだり、保留したり、断ったりすることで)なくなって。また別のオファーが来て、次にそれがなくなってとか、そういう状況で。今回は夏の3カ月ぐらい考え続けて、さっき話した2つの理由で決めたんです」

最終的にはプレミアに行く目標のために

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 リーズからのオファーが届いたときも、移籍すべきかどうかはすぐに判断できず、しばらく考えた。ただ、先に挙げた2つの理由があったから、決断を下した。すると、何度も悩み考えてきたからこそ、スッと目の前が開けた気がした。

「やはり、プレミアのレベルの高さは海外に来て、これまで以上に肌で感じられるようになりました。リーズは、そこに行ける可能性が1番高いんじゃないかなと。だから、プレミアに行くという目標のために移籍しようと最終的に決めた形です」

 だから、田中は迷うことなく、プレーを続けられる。

 そんな田中の新天地でのパフォーマンスを見ていて驚くのは、あらゆるプレーへ関与する数の多さだ。攻撃でも守備でも、色々なところに顔を出す。

 攻守両面でのプレー関与数を測る「アクション」というデータがある。攻撃ではパスやシュートやドリブル、守備ではインターセプトやスライディングタックル、そして攻守両面でのデュエルなどの総数だ。この数が多いほど、様々なプレーに関与していることになる。

 田中の渡航後、リーグ戦1試合あたりの「アクション」数の変化は以下の通り。

〈フォルトゥナ・デュッセルドルフ時代〉
2021-22シーズン:73
2022-23シーズン:65.8
2023-24シーズン:69.5
〈リーズ移籍後〉
2024-25シーズン:92.95

 激増しているのがわかる。

ワールドクラスと比べてもスゴい「92.95」

 ただ「92.95」がどれくらいの価値を持つかは、初見ではイメージがわかないだろう。この数値を、中盤の底でタクトを振るうワールドクラスの選手と比較すると……くわしくは続編で紹介するが、驚くべき結果となった。データによって一目でわかるくらいに、多くのプレーに関与しようするのは何故なのだろうか。

「選手の能力を五角形とか六角形で能力を表せるチャートがあるとすれば、自分は……」

 理想とする選手像を深掘りすると、田中の秘めた武器と可能性が見えてくる。〈つづく〉

#3に続く
「詳細は言えませんが」田中碧が記者の質問に笑み…衝撃の“モドリッチ級”数値「あの時はまだでした」三笘の1ミリから2年、リーズで覚醒の真相

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