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「スマホ問題」で人気騎手が引退、相次ぐ不祥事…2024年“競馬界の十大ニュース”を振り返る「2023年は明るい話題が上位を占めていたが…」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2024/12/30 17:07
3歳牝馬として64年ぶりに有馬記念で優勝したレガレイラ。レース前にはドウデュースの出走取消もあり、年の瀬まで「乱」に満ちた一年だった
それに加え、12月には岩田康誠が移動中にスマホのYouTubeで音楽を聴いて騎乗停止となるなど、悪いニュースがつづいた。
調整ルーム内や、開催中の競馬場、他場への移動中は、双方向の通信が可能な機器の使用は禁じられている。公営ギャンブル以外の博打が御法度の日本にあって、競馬法により馬券発売が特別に認められているのは、公正に運用するという大前提があるからだ。そこに抵触した場合、主催者は、過失か故意かは問わず、一律にルールを適用する。厳しすぎるという声もあるようだが、こうすることもまた公正な施行のひとつなのである。
これが2023年の十大ニュースなら、「イクイノックス、レーティング世界一」「リバティアイランド、牝馬三冠制覇」「JRA初の女性調教師誕生」など明るい話題が上位を占めていたはずだが、残念ながら、24年はスマホ問題を1位にしないわけにはいかない状況になってしまった。
最年長GI勝利記録も…番外編ニュース
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最後に、24年の十大ニュースの「番外編」として、項目だけを以下に記す。
「関西馬、GI勝利数で関東馬を再逆転」
「札幌競馬場にJRA初の女性場長誕生」
「サンデーレーシングJRA・GI完全制覇」
「マカオ、シンガポールの競馬廃止」
「JRA創設70周年」
「横山典弘、ダービーで最年長GI勝利記録更新」
「ディープインパクト産駒、JRA・GI連続勝利記録ストップ」
ディープ産駒のJRA・GI勝利は2011年からつづいていたのだが、シャフリヤールが“ラストチャンス”の有馬記念で鼻差の2着に敗れ、「13年」で途切れた。父サンデーサイレンスとステイゴールドに1年及ばぬ歴代3位の記録だ。ただ、海外でオーギュストロダンが英プリンスオブウェールズステークスを勝っており、「JRA」という括りでなければ、GI連続勝利はつづいている。
2025年は、走りで人々の心を揺さぶるスターホース、そして、何度も語らずにはいられないような名勝負が見られる一年になってほしい。