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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
前・立教大監督→現役復帰の上野裕一郎が「日本最速の39歳」になっていた…「おじさんに負けるなよ」若い選手に発破をかけながら記録更新に挑む
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2025/01/01 06:01
立教大の監督を解任後、ひらまつ病院で現役選手として活動する上野。ニューイヤー駅伝では恩返しの快走を誓う
「若い頃は勢いで走れていましたけど、もう勢いだけじゃ走れないですし、身体の可動域とか使える筋肉がかなり減少しました(苦笑)。実際、動画で自分の走りを見ても、足のさばき方とか違うし、つま先を突いてから1歩の推進力がかなり落ちています。
そこを埋めていかないといけないので、高強度と低強度のトレーニングをメリハリをつけてやらないといけないですし、練習量も増えたのでけっこう疲労がたまるんですよ。その疲労も抜けにくい。昔は練習において考えることが10あったとしたら10やらなくても2ぐらいでよかったんですけど、今は10あるうちの10を考えてやらないと体が追いついていかないです」
もう「練習、すぐレース」とはいかない
39歳の体は、「練習して、すぐにレースを走ろう」とは容易にいかない。練習やレースに臨む前にすべきことが以前より増えた。
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「昔はやったことがないようなことを今、しています。例えば、朝起きて、動き作りをしてから練習に臨んだり。そうしないと怪我をしてしまう。以前は筋肉系の怪我はほとんどなかったんですけど、24年は1、2週間休まないといけない怪我が3回もあったんです。筋肉の柔軟性がなくなってきているので、使える筋肉を増やすために補強トレーニングとか、いろいろやっています。ただ、それを教えてくれる人がいないので、立教の学生に教えていたことを取り入れて、それでなんとか生きながらえている感じです」
疲労を取り、怪我を予防するためにケアの時間を増やし、トレーナーに診てもらったり、自分でケアする時間が昔よりも3、4倍に増えたという。
「昔は最低限のことをやっていれば走れたんですけどね(笑)」
変わったもの、変わらないもの
すべきことは増えたが、どこか現役生活を楽しんでいるようにも見える。
現役に戻り、体こそ変化を感じているが、トラックのスタートラインに立つと変わらないものがあることも感じた。