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プロ野球PRESSBACK NUMBER
巨人入りで決着も「複雑…楽天はもっと大事にできなかったのかな」田中将大のルーキー時代の二軍監督が語る「パワハラ報道への違和感」「復活への道筋」
posted2024/12/25 11:45
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
SANKEI SHIMBUN
11月24日に楽天退団を発表した後、行き先が不透明になっていた田中将大の巨人入り。移籍劇はようやく決着したが、松井氏はその動向を複雑な思いで見守っていたという。
「楽天に所属していた者としてはやはり、田中将大という選手をもう少し大事にして欲しかったな、という思いがあります。報道で田中本人から『(楽天から)期待されていないと感じた』というコメントが出ていましたが、そういう言葉を彼から聞きたくなかった。そういう風に言わせてはいけなかった、と思うんです。球団運営の方針など色々と事情はあったとしても、もっと違う道があったのではないか。それは非常に残念な気持ちでした」
マー君が持つ「二面性」
松井氏は故・野村克也監督の側近として、南海の選手時代からヤクルト、阪神、楽天と長年に渡り名将を支えた。田中が入団した2007年は、楽天の二軍監督。「マー君、神の子、不思議な子」と称した野村監督のもとで黄金ルーキーを見守った。しかし、本当の出会いはそれより以前の2006年秋、ドラフト1位指名を受けた直後の田中を訪ね、駒大苫小牧の選手寮を個人的に訪問したのだという。
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「当時担当スカウトだった高梨(利洋)と一緒に、プライベートで訪ねたんですよ。寮の玄関を入って、高梨が『将大!』と呼ぶとひょっこり部屋から顔を出したのが18歳の田中だった。その時の印象は本当に大人しい青年といった感じで、甲子園で闘志むき出しにして投げていた姿とすごくギャップがありました。楽天に入ってきた後も、寮や食堂ではすごく静かに過ごしていて、彼はそんな風に振り幅の大きな二面性をもった選手だと感じていました」
“パワハラ報道”への違和感
プロの世界に踏み出した当初の寡黙で真摯な姿を見ていただけに、移籍にまつわる報道で後輩へのパワハラなどが伝えられたことについては、大きな違和感を抱いていた。