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日々是バスケBACK NUMBER
「Come to school(教えてやるから来いよ)」河村勇輝はなぜNBAスター選手たちに愛されるのか? “理想的な環境”だけじゃない急成長の秘密
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAP/AFLO
posted2024/12/12 11:03
スター選手のジャ・モラント(25歳)と言葉をかわす河村勇輝(23歳)。積極的なコミュニケーションが好循環を生んでいる
「相手(ディフェンス選手)がすごく跳躍力がある選手だっていうのはわかっていて、簡単にはシュートにいけないだろうなっていうので、本当に直感で、その瞬間に回っていったっていう感じです」
モラントには「もうやらない」と言ったものの、河村が本気になってこのムーブを練習して習得したら、174cmのサイズでNBAを生き抜くための武器のひとつになるのではないだろうか。そう聞くと、河村は「そうですね。習得したら武器にはもちろんなると思います」と認めた。本気で「二度とやらない」と思っているわけではなさそうだ。
「ま、(今回は)直感的に出ちゃったのであれですけど、僕のポリシーとしては、やっぱり練習でできないことはなかなか試合ではできないだろうなっていうのはあるので。ジャも"Come to school"って言ってましたけど、練習が必要だなとは思います」
コミュニケーションにも表れる“学ぶ力”
河村は、日本にいたときも高校からBリーグ、さらに日本代表と、まわりのレベルが上がるたびに成長してきた。アメリカに渡ってからもその成長ペースは落ちることがない。むしろNBAという世界一のリーグのレベルに触れ、スポンジのように吸収することで、成長のスピードが加速しているようにすら見える。
彼の学習力はバスケットボールに限らない。たとえば語学力。渡米後わずか2~3カ月でチームメイトたちとも普通に会話をしている。チームメイトたちが面白がって教えるスラングまで覚えて、実際に使ってみたりもする。といっても、単に丸覚えして所かまわず使うのではなく、そのスラングを使ってもいい場面を理解し、時と場合で使い分けようとしているところが、賢い彼らしい。