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「Come to school(教えてやるから来いよ)」河村勇輝はなぜNBAスター選手たちに愛されるのか? “理想的な環境”だけじゃない急成長の秘密
posted2024/12/12 11:03
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
AP/AFLO
それは、まったくの直感によるプレーだったのだという。
河村勇輝が現地11月15日のGリーグ・デビュー戦で見せた360度回転からのレイアップシュートのことだ。
ディフェンスで相手からボールを奪った河村は、ドリブル速攻で走ると、ゴール前でディフェンスをかわすために左方向にクルッと回ってレイアップを放った。その11日前、NBAメンフィス・グリズリーズのチームメイトでエースのジャ・モラントがブルックリン・ネッツ戦で見せたスーパープレーを真似たものだった。
後日、そのプレーについて聞くと、河村は「練習していたわけではないのに直感的に出ちゃって……。ジャ・モラントのプレーを見すぎなのかもしれないですね」と苦笑した。
「少し練習が必要だな。教えてやるから来いよ」
モラントのシュートと違ったのは、モラントが余裕でレイアップを決めたのに対して、河村は回転が少し足りずにシュートがずれ、リング手前に当たって落ちてしまったこと。
そのプレーを動画で見たモラントは、インスタグラムストーリーで河村に「少し練習が必要だな。Come to school(教えてやるから来いよ)」とメッセージを送った。それに対して河村は「君のプレーを自分でも体感してみたかっただけなんだ。もうやらないよ。君は特別だ」とメッセージを返している。
失敗に終わり、本人も「もうやらない」と言っているプレーだが、これには河村が渡米後に急成長を見せている理由が詰まっていた。NBAスーパースターのプレーを、自分では一度も練習していなかったにも関わらず、試合の中でとっさに繰り出す判断力と学習力。誰にでもできることではない。
しかも単に派手なプレーをしようとしたわけではなく、その判断には河村なりの理由があった。