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実は東京五輪の出場権は未定!?
男子バスケの変革はBリーグから。
posted2017/02/21 08:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
Bリーグが開幕してから初となる、バスケットボール男子日本代表の国際親善試合。FIBA(国際バスケットボール連盟)の世界ランキング48位の日本は、25位のイランと2試合を1勝1敗で終えた。結果だけ見れば悪くはないものかもしれない。
しかし、イランは若手を試すという明確な狙いがあり、平均年齢は22歳にも満たないメンバーで挑んできた。さらに、彼らは東京への移動の後、さらに試合開催地である札幌まで飛ばなくてはならないという大きなハンデがあった。
その中で、今回の代表戦から何が見えてくるのか――。
まず整理しておくべきなのは、現状の日本代表は特殊な状況に置かれているという現実だ。
東京五輪の出場権が確約されず、ヘッドコーチは暫定。
この試合で日本代表の指揮を執ったのはセルビア人のルカ・パビチェビッチ氏。ただし本来の役割は、日本バスケットボール協会の技術委員会のテクニカルアドバイザーである。
同氏は、セルビア・モンテネグロ(当時)のU-20チームを率いてヨーロッパで3位に導き、ドイツの強豪クラブであるアルバ・ベルリンを優勝させた実績の持ち主だ。日本代表については6月の東アジア選手権まで率いる。ただこの代表ヘッドコーチ就任は暫定的なもので、その後は新たな指揮官を招へいするプランがある。
パビチェビッチ氏の就任前、日本代表は長谷川健志氏との契約を解任に近い形で解除した。長谷川氏もリオデジャネイロ・オリンピックの出場権こそ逃したとはいえ、アジアでベスト4の位置にまで日本代表を育てた実績があった。しかしすべては、日本のレベルを引き上げるための決断である。12月からはパビチェビッチ氏のもとで短期合宿を重ねている。
2020年オリンピックは東京で開催されるが、実はバスケットボール日本代表には現時点で出場権が確約されていない。そのため今の日本に求められるのは、自力で予選を勝ち抜いて出場権を得られるだけの力をつけることである。また11月からは'19年に中国で開催されるワールドカップ1次予選が始まり、立ち止まっている時間はない。