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「マー君、巨人がいいんじゃないか」NHK解説者が語る、“田中将大36歳の楽天退団”「楽天に入りたい選手が少なくなるのでは」「マー君は10勝10敗でいいから…」
posted2024/12/10 11:02
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph by
JIJI PRESS
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「(楽天)もったいないと思うよ…」
11月24日、楽天の田中将大(36歳)の退団表明に球界は揺れた。甲子園のスターだった田中は、楽天にドラフト1位で指名されると2013年には24連勝で球団初の日本一に貢献。メジャーからの帰国後も楽天に復帰した。楽天にとっては、押しも押されもせぬ生え抜きレジェンドである。
しかし、今季は昨年の右肘手術の影響もあって1登板にとどまり、初めて未勝利に終わっていた。これを受けて、球団は減額制限を超える年俸を提示したが、田中と交渉がまとまらなかった。一部報道では、1億円を下回る年俸を提示されたと見られる(今季推定年俸2億6000万円)。
武田氏は、楽天の姿勢を嘆いた。
「生え抜きで、あれだけ貢献したんだから1億円くらいでもいいと思っちゃう。昔と違って今の日本球界は年取った選手をバッサリクビにしたり、年俸を下げたりする傾向があるけど、それはもったいないと思うよ。まだできる選手はいるから。楽天は2年契約だった今江(敏晃)監督を1年限りで解任したばかりだし、選手やスタッフをもっと大切にしなきゃいけないと思うよ。マー君は球界のレジェンドでもあるし、手術して1年目でそこまで厳しく評価しちゃうのはどうなんだろう」
「楽天に入りたい選手も少なくなるのでは…」
今回、田中と球団の交渉では、同じく投手として一時代を築いたSD(シニアディレクター)の石井一久氏が間に立っていた。田中の心情への共感は強そうだが……。
「俺は一久のことはよく知っているけど、マー君に伝えたことは本心ではないはず。あれだけ貢献して、今まで尽くしてきたマー君には、それが一瞬で崩れ去るような感覚だったんだろうね。俺がマー君の立場だったら、退団する気持ちはわかるよ」
球団創設以来、楽天の編成にはオーナーの意向が強く反映されると、しばしば言われてきた。石井氏は田中を守ることはできなかったのか。