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「今オフも日本に行く」ヌートバーの来季への青写真…カギになる「フライボールの技術」へ「スイングオタク(笑)」のあの強打者と自主トレを

posted2024/12/05 11:02

 
「今オフも日本に行く」ヌートバーの来季への青写真…カギになる「フライボールの技術」へ「スイングオタク(笑)」のあの強打者と自主トレを<Number Web> photograph by Getty Images

今季終盤には復調したものの、全体の成績には不満だというヌートバーの来季逆襲への目論見とは

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ブラッド・レフトン

ブラッド・レフトンBrad Lefton

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アメリカはもちろん、日本中が熱狂したワールドシリーズを、あるメジャーリーガーも熱い視線で見守っていた。2023年WBC日本代表の一人、ラーズ・ヌートバーだ。侍ジャパンの仲間の戦いぶり、そして自らの今シーズンの振り返りと来季への課題まで、笑顔で語ってくれたNumberWeb特別インタビュー!〈全2回の後編/前編はこちら

 WBCの仲間の今シーズンの活躍を最大限評価する一方、ラーズ・ヌートバーは自身の今季の成績には不満を抱いている。2シーズン続けてケガに悩まされた。

 今シーズンはまずキャンプ中に肋骨を骨折して、開幕から負傷者リスト(IL)入りで13試合を欠場した。続いて5月29日のレッズ戦でスイングを途中で止めた際に左脇腹を痛め、再び負傷者リスト入り。さらに35試合を欠場した。復帰後しばらくの低迷も含め、今季の成績は思うように伸びなかった。わずか109試合の出場で打率.244、本塁打12、出塁率.342、OPS.759。

ようやく9月に状態が上がってきた

 しかし8月中旬に手ごたえを得て、いい感じでシーズンを終えられたとヌートバーは言う。

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「シーズン全体に関しては不満いっぱいだけど、9月は感覚が良かったからいい気持ちでオフに向かえた。8月のある遠征中に、自分なりのスイングを取り戻す手ごたえをつかんだんだ」

 確かに9月に出場した25試合の打率.290は今季のヌートバーの月間打率で一番上。そして20安打のうちの半分の10本が長打(二塁打5、三塁打1、本塁打4)で、それも月間記録のベストだった。ヌートバーはその理由を明かした。

「手ごたえがあったのは、ゴロの打球をフライボールに変える技術。8月中旬から、打球の飛距離が出せるようになってきた。ゴロを減らすことは大きな課題で、9月はそれができ始めたと思う」

ゴロ率がリーグ平均まで改善

 その言葉は数字によっても裏付けられる。シーズン全体で、ヌートバーは打球の51.7パーセントがゴロだった。しかし9月はほぼリーグ平均の44.4パーセント。今季の月別成績で唯一、40パーセント台で終えた。ちなみに、シーズン年間打球数のうちのゴロ率は、大谷が36パーセント、カブスの鈴木誠也が33.7パーセントだ。

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