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「優勝したぞー!」北陽・伊藤さおりが語るアスリート夫からの“プロポーズ”「はねトびが終わった翌年に妊娠が…虻ちゃんも同じタイミングでした」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/12/05 11:04
2013年9月、CM発表会に登壇する北陽・虻川美穂子と伊藤さおり。人気芸人となった同級生コンビは、出産のタイミングも同じ40歳だった
食事のことに限らず、夫はバレーボールのことをあまり家庭に持ち込むタイプではなかった。「勝ってよかった」とか「負けて悔しい」と口に出すことはあっても、何に悩んでいるとか、何がうまくいかないといった細かい話は一切しない。芸人として活躍している伊藤さんもそれぞれの世界がある、と妻としてあえて聞くことはなかった。
お互いにとって程よい距離感で支え合いながら続いた遠距離婚。変化するきっかけになったのは、2014年の出産だ。
数年の妊活を経て、同年3月に妊娠を発表した。自身のブログで「正直なところ、今までなかなか授かることが出来ず赤ちゃんがきてくれることを待っていた日々はとてつもなく長く感じられました。悲しい思いもたくさんしたし、涙したことも数知れず。年齢的にも焦ったりもがいた日々でもありました」と記したように、夫婦にとっては待望の妊娠だった。
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「はねるのトびらが終わった1年半後で、虻ちゃんも同じタイミングでした。私も虻ちゃんも、結婚して子どもが欲しいと思いながらも、それまでずっと頭は仕事に向いていたんでしょうね。30代ギリギリで妊娠がわかって、その時はよかった、って。本当に嬉しかったです」
「ゴールテープを切ったような達成感」
高齢出産に不安はあったが、伊藤さんだけでなく晩婚化が進む今は40代の初産も珍しくはない。むしろ年齢を重ねてからの結婚、出産に対しても、芸人という仕事で重ねたさまざまな経験もあるから何事も乗り切れる。そう思っていた。
甘かった、と思い知らされたのは出産を終えてから。
「それこそ出産した時はゴールテープを切った、と心から思うぐらい、ものすごい達成感だったんですよ。でもそこで担当の女医さんに『まだスタート地点に立ったばかりだから。大変なのはこれからよ』と言われて。今思えば本当にその通り。甘く見ていたし、出産はゴールじゃなくてスタートでした」
〈第3回につづく〉


