「優勝したぞー！」北陽・伊藤さおりが語るアスリート夫からの“プロポーズ”「はねトびが終わった翌年に妊娠が…虻ちゃんも同じタイミングでした」 

　とはいえ、さすがに30代半ばを迎えると女性としての人生を嫌でも考える。地元の同級生や芸人仲間からも結婚や出産の報告が増えた。自分自身のこれから、結婚だけでなく出産も考えた時、「優勝するまで結婚しない」と言っている彼と、このままの関係がどこまで続くのか。付き合い始めて5年が過ぎた頃には、さすがに不安も抱いた。

　結婚の2文字が現実になったのは2009年。その年のVリーグで東レが優勝。悲願達成の瞬間は仕事で直接見ることはできなかったが、興奮冷めやらぬロッカールームから電話がかかってきた。

「『優勝したぞー！』と。後ろからチームメイトの皆さんが喜ぶ声も聞こえてきて。プロポーズもその時でした」

2008/09シーズンのV・プレミアリーグを制し、トロフィーを掲げる東レアローズ主将・篠田歩（当時29歳）　©︎Jun Tsukida/AFLO SPORT

遠距離婚…夫を支えながらも仕事を継続

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　2010年4月、翌シーズンのVリーグが終わる時期に結婚を発表。伊藤さんは当時36歳。すぐに篠田さんが暮らす静岡に拠点を移す選択もあったが、レギュラー番組を抱え、早朝から深夜まで番組収録やリハーサルがある状態では家にいる時間もままならない。加えて、バレーボール選手の夫は試合があるため週末は不在。例年、リーグが開幕する10～11月から翌年5月まではシーズンが続くだけでなく、オフシーズンも合宿で長期留守にすることも珍しくなかった。

　すれ違いの生活が続くなら、それぞれの場所でやるべきことをしながら暮らしたほうがいい。結婚前と変わらず、伊藤さんは東京、篠田さんは静岡で生活することを選んだ。ただ、夫は身体が資本のアスリートでもある。アスリートの妻として、休みの日は静岡へ出向き、夫のために食事を作った。

©︎Tadashi Hosoda

「ざっくりでしたけど、たんぱく質はこれぐらい必要、炭水化物はこれぐらい、と考えて、品数もいろいろつくる。今思い返しても、よく頑張ったなぁと我ながら思いますね。仕事をしながらあれだけの量と品数をつくるのも体力がいる。若かったからできたのかな。今はもう全然、同じようにやれと言われても無理。基本的に、夫は何も言わないです（笑）」

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