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「結果だけ見て…悔しいです」日本人対決でなぜ“明暗”が分かれた? 伊藤美誠の涙に思い出す、“黄金世代”と対峙した福原愛・石川佳純の必死さ
posted2024/11/29 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
11月20日から24日にかけて、卓球のWTTファイナルズ福岡が行われた。シングルスは年間ポイントランキング上位16名が出場できる大会だ。
最近の好成績を物語るように、日本から5名が出場した女子シングルス。その1回戦で、伊藤美誠は大藤沙月に敗れた。
大藤はこの1年で「世界ランク125位→8位」
大藤はこのところ、急成長を遂げている選手だ。今年4月の世界ランキングは125位だったが好成績を残し続け、ランキングを8位まで大きく上げてファイナルズ初出場を果たしていた。
対する伊藤は、世界ランキング10位でファイナルズを迎えていた。
過去の対戦成績は伊藤の3勝1敗。ただ、10月のWTTチャンピオンズモンペリエでは大藤が伊藤から初めて勝利をあげている。
第1ゲームはサーブをいかし、フォアで積極的に攻める伊藤がリード、一度は逆転を許したが13-11で奪う。
だが第2ゲーム以降、流れは変わる。多彩なプレーをみせる伊藤に対し、大藤もドライブで対抗し、大藤が12-10で手にする。
第3ゲームは安定したプレーで大藤が11-5。続く第4ゲームは序盤、伊藤がリードするも、大藤も引き下がらない。伊藤が11-10とゲームポイントを握ったが、そこから逆転、13-11で大藤。最終的に1-3で伊藤は大会を後にすることになった。
「結果だけ見て…悔しいです」伊藤美誠は涙が止まらなかった
大藤に対してモンペリエ大会に続く連敗に、試合後、伊藤は涙が止まらなかった。
「(大藤の攻撃は)何でも入っちゃうので、何か仕掛けて崩さないといけなかったと思います」
その心情は、何よりも次の言葉にあふれていた。