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「悔しい」「実力が足りてない」張本美和が完敗後に号泣…驚異的な成長を続ける16歳は、なぜそれでも早田ひなに勝てなかったのか?
posted2025/01/28 17:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
完敗だった。
昨年の決勝と同じく早田ひなと対戦し、0-4のストレート負け。違っていたのは試合後の感情だった。
「今年は昨年と違った気持ちなので」
張本美和は悔し涙を流した
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1月26日、全日本卓球選手権決勝が終わった。2年連続の準優勝という結果に対し、張本美和は涙をこぼした。悔しさが募った。
この1年、張本はまた一段、飛躍を遂げた。パリ五輪団体の日本代表に選ばれ、銀メダルを獲得。昨年10月のアジア選手権団体では金メダル。決勝の中国戦では王藝迪、世界ランキング1位の孫頴莎に勝利し、立役者となった。世界ランキングも上昇し、現在は6位につけるまでになった。
迎えた全日本選手権ではこの1年を証明するかのようなプレーを見せて勝ち上がる。準決勝では伊藤美誠に4-0のストレート勝ち、強さを示した。
決勝の相手は早田。昨年敗れたあとには、こう話している。
「悔しいですけど、この大舞台で戦えたことは自分の経験になりましたし、すごく楽しかったです。今年も成長して、また来年もっと強くなった姿で帰ってきたいと思います」
その言葉を証明するための一戦であり、「去年のリベンジを果たせたら」という意気込みとともに臨んだ。昨年11月、WTTファイナルズ福岡のあとにも「全日本で優勝することが目標です」と語っているように、ターゲットとして見据えていた。
並行して行われていたジュニアの部では「大本命」の前評判通り優勝し、3連覇を達成した。