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「恋愛感情を感じたことがなかった」ソチ五輪代表・高橋成美が人生初の「結婚したいモード」…「恋愛で悩みたい。苦しむのが好きだから(笑)」

posted2024/12/06 11:01

 
「恋愛感情を感じたことがなかった」ソチ五輪代表・高橋成美が人生初の「結婚したいモード」…「恋愛で悩みたい。苦しむのが好きだから(笑)」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「いきなり結婚したくなった」という高橋成美。現役引退後も様々なスポーツに挑戦し、今も体が柔らかい!

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Takuya Sugiyama

ソチ五輪、フィギュアスケートペア代表だった高橋成美が現役を引退して6年。引退後の彼女はアイスホッケー、フルマラソン、サッカーと次々にいろいろなスポーツにのめり込み、最近はテレビのバラエティ番組で目にすることも多い。現役時代以上に生き生きと自分を表現しているように見える彼女に、過去からいまの思いまでを聞いた。すべてを包み隠さず語ってくれたNumberWeb特別インタビューをお楽しみいただきたい。<全3回の第2回/第3回はこちら

 2018年に現役を引退した後、高橋成美は、2021年にJOCの理事になった。

 東京五輪が終わり、1周年の記念イベントが開催され、LGBTとスポーツ発信の場として「プライドハウス東京」がブースを出展していた。そこに友人でゲイのスケーターであるハビエル・ラジャが参加するというので、一緒にトークショーをすることになった。高橋は、もともと恋愛や性について自分が人と異なっていることを思春期の頃から感じていた。話が進み、自らの性について聞かれた時、高橋はこう答えた。

「私は、LGBTQだったらQかな」

カミングアウト? 「正直分からない」

 その言葉が抜き取られ、高橋がLGBTQであることをカミングアウトしたと報道された。

「あの発言の後、数人のセクシュアルマイノリティの同級生から連絡が来て、『すごい勇気が出た』と言ってもらえましたし、トランスジェンダーの友人は、『女性と同性婚するきっかけになった』と教えてくれました。私の言葉が少しでも力になっていたことを知り、発言したことはとても良かったことだと今でも思っています。

 ただ、その時、私はQだと発言しましたが、正直分からないというのが本音です。好きという感情はあるんですが、恋愛に繋がったことがないんです。こうだと決めつけてしまうと本質的なものが見えなくなるので、そこは決めつけず、これからも自然体の自分でいいと思っています」

スケートペアに恋愛関係は生じるのか

 高橋は、スケートでペアの競技を長く続けていた。ペアを組む人たちの中には、夫婦や恋人関係になるケースが少なくない。試合や練習などで長時間一緒に過ごしていく中で特別な感情が芽生えるのは、おかしなことではないだろう。

「ペアのパートナーと長く一緒にやっていれば、普通に恋愛感情が湧いてくると思います。でも、私の場合はパートナーだけじゃなく、男性にも女性にも恋愛感情みたいなものを感じたことがなくて。いや、練習に行った時にパートナーの顔を見るとテンションが上がったり、海外に行った際にパートナーと一緒だったら楽しいとか思うんですよ。パートナーが他の女の子と仲良くしていたらなんだか腹立たしいとかも、ありました。それって恋愛じゃないの? って言われるんですけど、私のなかでは恋愛じゃないんです」

 では、ペアを組んだパートナーとはいったいどういう存在だったのか。

【次ページ】 恋愛して悩みたい。苦しむのが好きだから(笑)

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