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空手世界王者が“プラスサイズモデル”に…いったいなぜ? 植草歩32歳が語った“意外な理由”「体重やスリーサイズが出るのは恥ずかしいけど…」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byTakashi Shimizu
posted2024/11/30 11:02
今年、現役引退を発表した空手の植草歩(32歳)。注目を集めた「プラスサイズモデル挑戦」の理由とは
なぜプラスサイズモデルに挑戦したのか?
──では、もう自分のための練習はしていない?
植草 そうですね。ちょっと太らないように体を動かそう、くらいのレベルです。これ以上、太ったらマズいので(笑)。
──階級制ゆえ現役のときは体重に敏感だったと思いますが、いまでも体重計には頻繁に乗るんでしょうか?
植草 乗らないです。もう乗りたくない。乗ったら「アアッ!」となっちゃう(笑)。食べる量も減らしているけど、体重は全然落ちないんですよ。
──現役を引退されたアスリートに対して失礼を承知のうえで聞きますが、現在の体重はどのくらいでしょうか?
植草 モデルとしていま公に出ているのは85kgです。ただ、もうちょっと落としたい(笑)。
──プラスサイズモデルの仕事ですが、世の中にはいろいろな体型の方がいる。そういう人たちを勇気づけるためにやっている側面もあるんでしょうか?
植草 きっかけは知人から「こういうモデルの仕事があるんだけど、引退したらやってみたら?」と薦められたことです。「植草さんがプラスサイズモデルをやったら絶対バズるから」と。
──実際、『la farfa(ラ・ファーファ)』のモデルに起用されて大きな注目を集めることになりました。その知人は先見の明がありますね。
植草 空手選手としての活動が表に出ることは何ともないけど、自分の体重やスリーサイズが公開されることはやっぱり恥ずかしい。根はネガティブで恥ずかしがり屋なので、体重のことをイジられるのはイヤですし……。でも、だからこそ「いまに見ておけよ!」と。
──覚悟を決めたわけですね。
植草 これで有名になったら、誰も私のことをバカにできない。そう思ってやっています。きっと世の中には競技を辞めてから太ってしまった人もいる。スポーツだけじゃなく、仕事のストレスや、出産後にそうなった人もいる。そういう人に「体が大きくても綺麗でいられる」という可能性を示したい。最初はオーディションがあったんですよ。当然、落ちる可能性もあったので緊張していました。
──「あれっ、空手の植草さんじゃないですか!」とビックリされませんでした?
植草 はい(笑)。「なぜここに?」と驚かれたので、「太ってしまったので」と正直に答えました。でも、学生時代からそうだったんですよね。昔も決して痩せてはいない。小中学生のころも同級生の女の子と比べたら自分の方が大きかったですし、地元は田舎でお洒落な洋服もないから、ずっと制服かジャージを着ていました。
<続く>