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「転んでもただでは起きない」駒澤大の逆襲はあるか…箱根駅伝メンバー選考レースで出場9名全員が自己記録! 「今回は挑戦者として伸び伸び戦える」

posted2024/11/20 11:01

 
「転んでもただでは起きない」駒澤大の逆襲はあるか…箱根駅伝メンバー選考レースで出場9名全員が自己記録! 「今回は挑戦者として伸び伸び戦える」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

第100回箱根駅伝では6区を走った駒澤大・帰山侑大。上尾ハーフで2位と結果を出した

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Nanae Suzuki

学生三大駅伝も出雲・全日本が終わり、いよいよ箱根駅伝に向けて各大学のメンバー選考も本格化してくる。そんな中11月10日に行われた世田谷ハーフマラソン、17日の上尾ハーフマラソンには有力校の選手が数多く出走した。中でも注目は、出雲と全日本では敗れたものの、箱根での逆襲を目論む駒澤大だ。新戦力の台頭、上級生の底上げはあったのか。チームの現状を追った。

「今日は、収穫が大きかったですね」

 上尾ハーフマラソンを終えて、ホッとした表情を見せたのは、駒澤大の藤田敦史監督だ。チーム内の箱根駅伝の選考レースという位置付けだったが、帰山侑大(3年)が61分59秒で2位、村上響(2年)が3位、谷中晴(1年)が4位、吉本真啓(4年)が7位と、8位入賞内に4名もの選手が入った。さらに初ハーフ組を合わせてエントリーした9名がみな自己ベストを更新、上尾はさながら「駒澤大のPB(パーソナルベスト)祭り」になった。

 1週間前の世田谷ハーフが終わった時には、藤田監督は終始渋い表情だった。

世田谷で見えた青学大の分厚い選手層

 このレースに向けては、過去に結果を出した時と同様の調整を行い、出場する3人に上位争いを期待した。だが、植阪嶺児(2年)は65分28秒で28位、初ハーフ組の宮城珠良(4年)は65分39秒で33位、坂口雄哉(1年)は67分18秒で60位に終わった。世田谷を選考レースにしていた青学大はトップ3名に加え、計6名が8位入賞するなど表彰台を独占した。

「青学大との選手層の差が出たなと思いました。全日本に出てない選手でもこのコースで62分台を出し、先頭争いをしてくるわけですから、やっぱり強いですよ。そこに勝とうと思ったら、出た3人が少しでも前に絡む走りをしないといけないんですが、5キロで遅れてレースにならなかった。昨年、この大会で1年生だった村上や新谷(倖生・2年)、小松(聖・2年)が63分半で走っていたので、そのくらいで来てほしかったんですけどね」

 藤田監督は、厳しい表情でそう言った。

 距離が長くなる箱根で、青学大が優位であることは理解している。11月3日の全日本では青学大はアンカー勝負で敗れはしたが、選手層では優勝した國學院大や駒澤大を凌駕しており、世田谷ハーフでさらにその層の厚みと強さを見せつけた。

「青学大に比べると、うちは選手層が薄い。でも、出雲、全日本であれだけの走りを見せるなど頑張った中で、世田谷でも走れればチームとして勢いがあるなって見てもらえると思うんです。でも、こういう結果になってしまうと、やっぱり駒澤大は選手層が薄いよねってなってしまう。次の上尾では、全日本を走った選手も出るので、タイムよりもどういうレースをするのか、どのくらい勝負に絡めるかを重視します」

 上尾の出場選手の中には全日本で好走した村上や谷中、島子公佑(2年)もいたが、藤田監督は「全日本を走れたからといって大丈夫だと安心するな。上尾で、もう一度選考させてもらう」と選手に発破とプレッシャーをかけた。

【次ページ】 これで3年が揃った

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